【豪州】SNS映えするベビーベッド画像、まねしないで

ベビーベッドの周囲をスタイリッシュに飾ったSNSの投稿画像の一部に安全上の問題があるなどとして、豪州の消費者団体CHOICE(チョイス)がまねをしないよう注意を呼びかけている。ベビーベッド近くの壁に大きな鏡を掛けたり、窓やカーテンの近くにベッドを置いたりする事例などを紹介し、「SNSの人気インフルエンサーの子ども部屋は美しく見えるかもしれないが、乳幼児にとって安全ではない家具や配置方法が多く見受けられる」と指摘している。

同団体によると、多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーがベビーベッド周りをスタイリッシュに飾り、赤ちゃんとポーズを取る画像が投稿されている。しかし、安全性よりもデザイン性に重点が置かれた構図となっており、これを見た保護者がまねをする危険性があるという。

危険な装飾方法の一つが、ベビーベッド近くの壁に鏡や額縁などを飾ること。ベビーベッドの中で子どもが立ち上り、手を伸ばして引っ張る可能性がある。また、転倒のおそれがある家具を近くに置くのも危険。置きたい場合は壁にしっかりと固定する必要がある。

おしゃれなカーテンを吊った窓の近くにベビーベッドを置くと転落したり、ひもが首に巻き付いたりするおそれがある。天蓋(天井から布をつるしてベッドを囲う飾り)やベッドの柵に吊るした花輪も不要。寝床にカラフルな枕を置くとおしゃれだが、窒息の危険性があるほか、足場にして転落するおそれがある。

Victorian Injury Surveillance Unit(VISU、ビクトリア州傷害監視部)のまとめによると、この5年間に年平均708人の子ども(5歳未満)が家具でけがをして医療機関を受診した。小児科医のルース・バーカー博士は「子どもの予期できない行動と成長の早さは両親の想定を超える。発達段階に応じた安全対策をとることが重要だ」と指摘。CHOICEも「SNSのおしゃれな寝床の画像はデザインの参考になるが、あくまでSNS映えを優先したものだと覚えていてほしい」と呼びかけている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. クロロックス社違反事例
    オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は4月14日、ゴミ袋製品の一部に「海洋プラスチック50%c
  2. 国土交通省
    国土交通省とナスバ(自動車事故対策機構)は3月25日、2024年度チャイルドシートアセスメントによるc
  3. NCL
    非営利団体のグリーン・アメリカや児童労働連盟(Child Labor Coalition)などは4月c
  4. 経済産業省
    経済産業省は、2024年のキャッシュレス決済比率が42.8%になり、「2025年までに4割程度」とすc
  5. 東京都庁
    東京都は3月25日、2024年度健康食品試買調査結果をまとめ、124製品のうち98製品(79%)に不c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る