静かな時限爆弾「サイレントチェンジ」 製品安全に重大な課題🔓

製品の新たな安全課題「サイレントチェンジ」――。発注企業の気づかないうちに海外の委託先企業が使用部材を切り替えて、仕様書と異なる部品を使うことを指す。パソコンが発煙し内部が燃損した、ACアダプターが発熱しやけどを負った、など数十万台規模のリコール製品をめぐる事故例には、知らずに材料が変更され、難燃性や強度性能の劣る部品によると疑わせる事故例がある。

NITE(製品評価技術基盤機構)の製品安全センターは「身近に潜むサイレンントチェンジ」について事故例をまとめ、事業者に対し、サプライチェーンとの適切な契約と、継続的な品質試験の実施などを求めている。靴から家電製品まで広がる「静かな時限爆弾」。神戸製鋼所や三菱マテリアルなどと同様の不正が国境を越えて展開されている。消費者団体は監視制度の抜本改善を求めている。

製品事故の原因究明機関・独立行政法人「NITE」製品安全センターによると、サイレントチェンジは、発注元のメーカーも気付かないうちに、主に海外下請け事業者が部品材料の使用を替えてしまうことを言う。想定した基準を満たす難燃剤や耐熱剤が性能の劣る部材に変更される。

背景には、家電などの製品サプライチェーンの複雑化、発注元からのコスト削減要請の強化などがあるという。競争が激化する過程で品質が劣る低コスト品が採用され…(以下、続く)

(本紙「ニッポン消費者新聞」1月1日新年特集号より転載)

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