【英国】無人でも飛ばす「ゴーストフライト」問題を考察

英国の消費者団体Which?は2月3日、無人の飛行機を運航させる「ゴーストフライト」問題を取り上げ、環境保護団体が「航空業界のばかげた慣習だ」と警告していることを伝えた。コロナ禍で航空需要が落ち込む中、空っぽの飛行機を飛ばす理由は何なのか。

Which?によると、背景にあるのがEU法。主要空港の発着枠を維持するために、航空会社は一定の割合で定期便を運航させる必要がある。コロナ前は運航計画の80%を満たす必要があったが、パンデミック発生時、EUはこの規定を一次停凍結させた。しかし10月に復活させ、現在は航空会社に50%の維持を要請。今年3月には夏休暇の需要を見込み、64%へと引き上げるとしている。

一方、昨年のデルタ株、現在のオミクロン株の蔓延により、航空需要は依然、落ち込んだまま。独航空大手ルフトハンザはすでに約3万3000便の運休を発表しているが、1月の記者会見では、発着枠を維持するために約1万8000便のゴーストフライトが必要だと公表している。同社によると昨年1~3月、満席になった便は全体の45%程度。「(規則がなければ)乗客を割り振ることで無駄なフライトを減らすことができた」とこぼしている。

全世界の二酸化炭素排出量の2%以上を占めるとされる航空業界。悪しき慣習を止めさせるため、英議会には法改正を求める請願書が提出されているという。

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