【米国】洋服たんす、転倒防止へ基準強化 子ども199人死亡

米消費者製品安全委員会(CPSC)は10月19日、洋服たんすの新たな安全規則を承認した。転倒による子どもの事故を減らすため、安定性能とラベル表示方法を大幅に強化する内容。消費者団体コンシューマー・リポートは「過去20年以上に渡り多くの家族に悲劇をもたらした家具の転倒事故が減ることになる」と称賛する声明を出した。

新たな安全規則はたんす、チェスト、ドレッサー、ワードローブなどを含む衣類保管家具を対象としたもの。安定性に関する最低基準、試験方法、使用上の注意や性能に関する表示方法などを規定する。家庭での使用実態を反映させ、子どもがよじ登ったり引っ張ったりすること、カーペットへの設置、複数の引き出しの開閉などを踏まえた基準設定になっているという。

CPSCによると、2000年1月~2022年4月までの約22年間、洋服たんすの転倒による死者数は少なくとも234人に上り、そのうち199人が子ども(多くが3歳以下)。また、救急治療を受けた負傷者は06年~21年までの5年間に8万4100人となり、そのうちの72%が子どもだった。

15年前から家具の転倒問題に取り組んできたCPSCのアレクサンダー・ヘーン・サリック委員長とっては喜びもひとしおで、各関係者に感謝するコメントを発表した。「あまりにも長く悲劇が続いてきた。消費者に危険性を警告し、家具の固定を呼びかけ、事業者にはリコールを促し、自主基準の設定にも取り組んだが、子どもを亡くした保護者たちの(事故対策を求める)努力と献身もむなしく、変化は遅々として進まなかった」と振り返る一方で、「我々の取り組みは始まったばかり。新規則の施行と順守、そして(基準に適合しない)古い家具の固定を促す努力を続けなければならない」と気を引き締めた。

消費者団体のコンシューマー・リポートは「CPSCは既存の取り組みでは子どもの死亡事故を防げないと判断し、製品は安全に製造されるべきだという本丸にようやく切り込んだ」と称賛。「亡くなった子どもたちを取り戻すことは不可能だが、新規則は今後、無数の家族の悲劇を防ぐことになるだろう」とコメントした。

新たな安全規則は連邦官報に公示されてから180日後に発効する。

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