まるで「ブライダル詐欺商法」 全相協が深刻被害収集

公益社団法人全国消費生活相談員協会(増田悦子理事長)は、1月中旬から全国3か所で実施した「ブライダル関連110番」に関する「速報」を発表した。合計19件だったものの、キャンセル料、見積もり以上の高額契約、持ち込み料の追加など、深刻事例が相次いだ。全相協は事例を精査し、関係行政機関や業界団体に消費者被害防止へ向けた制度改正などを求めていく。

全相協ブライダル110番

全国消費生活相談員協会が全国3か所で実施したブライダル関連110番。深刻事例が相次いだ

「ブライダル関連110番」は、本部(東京)、関西(大阪)、北海道(札幌)の3か所で、1月13日から2月4日までの土日に開催された。寄せられた相談は19件。地域や時間によっては、全相協が継続的に取り組んでいる「週末電話相談」と重なったことから、電話がつながらない例もあったという。

相談者は男性3人に対し、女性が16人。契約者は男女とも同じ割合だった。契約当事者は20代から30代で16人。相談者の中の契約者は約半数なので、子どもに代わり親が相談を寄せていたこともわかった。

件数はそんなに多くないものの、相談内容はいずれも深刻だった。

「結婚式場を申し込んだ2日後にキャンセルを申し出た。申込金10万円は一切返金できないと言われた」
「1年後の大安の日の結婚式場の契約をした。総額は350万円。仮契約のつもりで20万円を支払ったが、家族の反対を受けたので翌日に解約を申し出た。契約の翌日なのに解約料10万円を請求された」

同様に、申込金20万円を払いつつ、挙式を延ばす必要があったので延ばしたところ、結婚式場会社が倒産、引き継いだ会社から連絡が来たものの信用できないのでやめた、結局20万円は戻らなかった、などの例もある。その他にも、

「見積もりでは250万円だったのに、3回目の打ち合わせの段階で初めて食事の内容が示されたところあまりに粗末なので変更したら400万円を超えてしまった」
「カメラマンや花の持ち込みを式場に伝えたら各々10万円の持ち込み料がかかるといわれた」
「友人にプロのカメラマンがいるので、式の最後のエンドロールを友人に任せたいと言ったら式場のカメラマンでないとダメと言われた」

などの苦情例も寄せられた。全相協では、これら相談事例をもとに課題を検討。被害防止へ向け、改善策を提示していく予定だ。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. こどもの事故
    ゴールデンウィークを控え、宿泊先や親戚の家に置かれた製品で子どもが思わぬけがをする可能性があるとしてc
  2. 電話相談
    大阪弁護士会の消費者保護委員会は4月26日・27日の両日、紅麹サプリ健康被害110番を実施する。小林c
  3. 豪州消費者団体Choice
    住宅ローンや家賃に関する苦情が増加しているのは銀行が苦境に立たされている人を十分支援していないからだc
  4. 鶏肉
    日本政策金融公庫が実施した畜産物の購入に関する消費者動向調査によると、食肉と牛乳について、およそ6割c
  5. コンシューマーリポート
    4月22日のアースデイを前に、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは気候変動が消費者の財布に与えc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る