【米国】自動車ディーラーによるジャンク料金とおとり商法を禁止

米連邦取引委員会(FTC)は12月12日、自動車販売における違法な勧誘戦術を禁止する「自動車小売詐欺対策(CARS)規則」を最終決定した。自動車ディーラーを対象に、ジャンク手数料(隠れた追加料金)とおとり商法による広告戦術を禁止する。リナ・M・カーンFTC委員長は「米国人が車を購入する際、予期せぬ不必要な手数料を請求されるのが常だ。この規則は搾取的なジャンク料金を禁止し、購入者のお金と時間を節約し、誠実に取引するディーラーを保護するものだ」とコメントした。

CARS規則では、販売価格や手数料などの重要な情報について虚偽表示を禁止する。また、支払い総額や追加料金に関する情報の提供、不必要なオプション契約の禁止などを義務付け、購入に関する消費者の同意を得ることを求める。

自動車販売をめぐっては、手ごろな価格や割引をうたったおとり広告で消費者を誘い出し、不要なオイル交換サービスやGAP保険を契約に盛り込んだうえ、月々の支払額のみを提示して高額な契約を結ばせるといった取引が横行していた。

CARS規則は2024年7月30日発効。FTCは全米消費者の自動車購入において年間34億ドル以上、7200万時間の節約につながると見込む。事前のパブリックコメントには2万5000件超が寄せられ、ディーラーの不正行為への措置として広く支持する意見が寄せられたという。

これを受け、消費者団体CFA(アメリカ消費者連盟)は「規則が決定するまでの10年間の試みは遅きに失したが、取引の改善につながるだろう。我々はFTCと協力し、すべての消費者、弱い立場にある人々が保護されることを期待する」とコメント。消費者団体CARS(Consumers for Auto Reliability and Safety)は「FTCは最大の消費者苦情である自動車販売に切り込むという勇気ある一歩を踏み出した。この規則は消費者と誠実なディーラーの双方に利益をもたらすはずだ」と歓迎した。

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