23年度のアルミ缶リサイクル率97.5% 3.6ポイント上昇

◎水平リサイクル率も上昇 協会、「アルミの良さ」啓発強化へ

アルミ缶リサイクル協会がまとめた2023年度の飲料用アルミ缶リサイクル率は、前年度から3.6ポイント上昇して97.5%となり、目標の「92%以上の維持」を達成した。CAN to CAN率(水平リサイクル率)も2.9ポイント上昇の73.8%と伸長。資源循環の取り組みが着実に進んでいることを裏付けた。協会はリサイクル機運の向上をめざし、さらなる啓発強化に乗り出す方針だ。

アルミ缶リサイクル協会石原理事長

リサイクル率がほぼ100%のアルミ缶。石原美幸理事長はゴミになりづらいアルミ缶のさらなる活用を呼びかけた(6月21日、都内での記者会見にて)

23年度のアルミ缶リサイクル率は、分母となる国内消費重量が需要減により減少(前年比1万2200トン減)したものの、分子となる国内再生利用重量が微減(400トン減)とほぼ前年並みを維持。分子が変わらず分母が減少したことによりリサイクル率が大きく向上した。直近10年間ではコロナ禍前の19年度(97.9%)に次ぐ高さとなった。協会は「製造業界の資源循環やカーボンニュートラルなどの取り組みが進み、再生地金の調達量が維持された」と分析した。

アルミ缶が強みとしている水平リサイクル率も伸長。こちらも15年度の74.7%に次ぐ高い水準となった。協会は「CAN to CAN(缶から缶へ)の取り組みは着実に向上している。この結果に安堵せず、今一歩高いレベルにするための方策を協会内外で協議していく」との方針を示した。

今年度はアルミ缶の環境特性を知ってもらうため、小中校生など若年層を中心に広報啓発活動を積極展開する。石原美幸理事長は「ゴミになりづらいアルミ缶の活用を広げるには飲料容器としてもっと採用してもらう必要がある。環境に優しいアルミの価値を知ってもらうための取り組みを進めていきたい」と語った。

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