米FDA、たばこのニコチン量制限を提案 中毒性ないレベルまで

米食品医薬品局(FDA)は1月15日、紙巻きたばことその他のたばこ製品の依存性を制限するための新しい規則を提案した。ニコチン含有量を中毒性のないレベルにまで減らし、喫煙関連の疾病予防につなげる狙い。FDAは「最終決定されれば、命を救うための大胆な措置を講じる世界初の国となる」としている。今後、パブリックコメントや専門委員会で意見を求める方針。

提案した制限値は「たばこ1グラム当たりニコチン濃度0.7ミリグラム」。現在流通しているたばこ製品の平均濃度よりも大幅に低い値になるという。対象とする製品はたばこ、紙巻きたばこ、手巻きたばこ、ほとんどの葉巻、パイプたばこなど。電子たばこやニコチンポーチ、水パイプたばこ、高級葉巻などは対象外とする。

FDAの推定によると、喫煙に関連した死亡者は毎年約50万人にのぼり、医療費や生産性の低下によって国に年間6000億ドル以上のコストが生じている。ロバート・カリフFDA長官は「今日の提案は若者の喫煙の可能性を低め、今いる喫煙者の多くが禁煙もしくは害のない製品に切り替えることが可能となる未来を描いている。この措置が最終決定されれば、多くの命が救われ、重篤な疾病や障害が劇的に減り、国家負担も節約できる。予防可能な死亡と疾病を大幅に減らすことは米国が取り組むべき立派な目標だ」として、規則案に同意するよう求めた。

パブリックコメントは1月16日~9月15日まで実施する。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. コンシューマーリポート
    米カリフォルニア州議会は6月3日、公立学校における不健康な超加工食品の提供を段階的に禁止する法案を可c
  2. コンシューマー
    ◎マイクロプラスチック放出を懸念 プラスチック製の食料保存用袋「ジップロック」を巡り、米国で、製造c
  3. コイン
    ◎ひょうご消費者ネット 銀行法違反の可能性も指摘、金融庁にも申出書 ゆうちょ銀行がATM利用時に徴c
  4. 全国消団連記念講演会
    全国消費者団体連絡会は第13回定時総会後に記念講演会「エネルギー・気候変動対策に関する2025年のトc
  5. オンラインカジノ防止啓発チラシ
    ◎オンラインカジノ特集し啓発強化 総務省は、青少年に向けて毎年作成している「インターネットトラブルc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る