普及元年 第2世代スマートメーター検定開始 JEMIC

◎電力の「見える化」で変わる未来

中東地域での紛争ぼっ発や円安、物価高などの複合的な要因により、高止まりする電気料金。消費者が節電に努める中、今年も5月の「消費者月間」を迎えた。今年の統一テーマは「見える情報 見えない仕組み ~AI時代の消費者力を高めるために~」。消費者がAIやデジタルの利便性を享受しつつ、安全・安心な消費生活を営むために、デジタル技術の利活用や情報提供の仕組みに関する理解を深める期間となる。電気メーターの検定を主業務とする日本電気計器検定所(JEMIC)は消費者月間の意義を踏まえ、検定・検査制度の重要性を消費者にアピールしていく方針だ。今年は最新のデジタル技術を搭載した第2世代スマートメーターの「普及元年」となる。家庭への本格普及が見込まれる中、JEMICは電気メーターの検定を通じて社会に安心を提供し信頼と技術で貢献したいとしている。

第2世代スマートメーター

計測精度と頻度が向上した第2世代スマートメーター。一般家庭への普及が加速する(写真はJEMIC提供)

◎第2世代本格普及、使用量詳細に把握

私たちのくらしに欠かせない電気。電気料金の高騰に伴い、使用量を気に掛ける消費者も増えている。その電気の使用量を正確に計量するのが電気メーJEMICは公正・中立な第三者機関で、1964年の創設以来、国からの補助金を一切受けずに公益性の高い事業を展開してきた。現在、北海道から沖縄まで一一カ所に本社・支社・事業所を置き、検定・検査を実施。電気メーターの信頼性と安心を提供する役割を担っている。

こうした中、今年は第2世代スマートメーターの本格導入が始まる。2014年以降、通信機能の付いた第1世代スマートメーターが一般家庭に設置されてきたが、昨年下期から、第2世代スマートメーターの導入が進められてきた。JEMIC総務部総務グループは「昨年7月に第2世代スマートメーターの検定が始まった。今年は全国的に検定が行われることになる」と話す。第2世代スマートメーターの一般家庭への導入が本格化する見通しだ。

第2世代スマートメーターの特長の1つは、計測精度と頻度が向上したこと。第1世代スマートメーターは30分ごとに電力使用量を計測していたが、第2世代スマートメーターでは1分、5分単位で計測が可能となり、より詳細な電力使用状況の把握が可能になる。また、通信機能が強化され、スマート家電との連携が容易になる。

JEMICは「GX(グリーントランスフォーメーション)を前進させるためのツールとして第2世代スマートメーターの活用が電力業界でも多いに期待されている。電力使用量がより見える化されることにより、消費者の生活も大きく変わっていくだろう」と展望する。

◎半世紀以上の実績、試験技術一層進化

電気メーターがかつてのアナログ式から遠隔検針が可能なスマートメーターへと置き換わり、今年から第2世代スマートメーターが本格導入されることに伴い、電気メーターを取り巻く社会からのニーズも多様化している。JEMICはこうした環境変化に対応し、型式承認・検定・検査を進化させてきた。

2022年に稼働した東京本社敷地内の試験棟では、新しい技術基準に基づく型式承認試験を開始。降雨や太陽光などの影響を調べる「耐候試験室」、粉じんや電波、温度などの影響を確認する「塵埃試験室」「電波暗室」「耐久試験室」など各試験室を設け、厳格な型式承認試験により電気メーターの性能を担保している。

また、主業務となる検定は、毎年約600万台の電気メーターを最新技術の試験台で厳正に実施。使用した電力量を正しく計量するか、漏電や絶縁不良がないか、電気を使っていない時に計量しないか、微小な電気を使用した時でも動作するか、などの試験を行っている。

検定に合格した電気メーターは、有効期限を記した「検定ラベル」と検定証印を付した「検定証」が取り付けられ、電気メーター内部に触れることができないよう封印されて各家庭に設置される。

検定の有効期間は計量法施行令により定められており、一般的な家庭用電気メーターであれば検定に合格した翌月から起算して10年。有効期限が近付くと電力会社が取り替える仕組みとなる。
JEMICは第2世代スマートメーターの検定の確実な実施を使命とするとともに、新しい仕様の次世代高圧スマートメーターの型式承認および検定に向けた準備にも取り組んでいる。再生可能エネルギーや分散型エネルギーリソースの活用、GX実現に向けた取り組みを電気メーターの信頼性確保の面から支える役割を担っている。

◎消費者と直に交流、制度の重要性

JEMICでは、事業基盤強化の取り組みの1つとして消費者に向けた情報発信にも取り組んでいる。電気メーターの仕組みや有効期限、検定制度の重要性などをわかりやすく消費者に周知する取り組みだ。全国各地の消費生活展や計量関係イベントに積極参加し、JEMICが担う役割や取り組みなどを啓発してきた。昨年10月には「東京都消費者月間」にブース出展し、来場者と直に交流した。

また、広報誌「くらしと検定」を発行し、消費生活センターや消費者団体に配布する取り組みも行っている。消費者の節電意識が一層高まる中、今後も啓発事業を積極展開する方針だ。

(本紙「ニッポン消費者新聞」5月1日消費者月間号より転載)

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. カリフォルニア州やコロラド州などの各州は、「監視価格設定」(surveillance pricingc
  2. 第2世代スマートメーター
    ◎電力の「見える化」で変わる未来 中東地域での紛争ぼっ発や円安、物価高などの複合的な要因により、高c
  3. 消費者庁
    ◎被害総額250億円 改正法施行後もなぜ深刻被害? 1基5000万円のサーバーを共同購入し、企業にc
  4. パブリック・シチズン
    トランプ政権下の米証券取引委員会(SEC)は5月4日、気候変動関連リスクの開示を義務付ける2024年c
  5. 消費者庁
    ◎GMP構築中は67施設 紅麹問題を受けて改正された機能性表示食品制度が2025年4月1日に施行さc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る