【英国】隠れ家計負債が膨張 政府に実態調査要求

英国の「隠れ家計負債」が190億ポンド(2兆7170億円)に膨れ上がっていることが非営利の消費者助言団体「Citizens Advice」の調査でわかり、同団体が警鐘を鳴らしている。こうした家計の負債を把握する部門が政府にはなく、消費者金融や不動産ローン貸し出しと同様の手法で年次統計を取るよう要求している。

同団体はローンやクレジットを除く生活上の負債(いわゆる隠れ家計負債)を集計。各セクターの様々なデータを調査し、税金、水道・電気・通信料金、家賃などの滞納額を集計した。その結果、2016/17年の隠れ家計負債の総額が推計190億ポンドになることが判明。2010年11月時点の140億ポンドと比べて約35%増加していた。

負債の半分以上が国税・年金・地方税など中央政府や地方自治体への滞納。それに家賃や水道・電気・ガス、電話料金などが積み重なる構図だった。同団体は「190億ポンドの負債は政府にとっても無視できない額だ。借金の大部分は返済義務のある債務であり、生活が行き詰まり、自宅からの退去やライフライン(電気・ガス・水道・通信)からの断絶に直面する可能性がある」として、政府に実態把握と対策を呼びかけている。

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