【豪州】裁判所がACCCの提訴を棄却 「生分解性」表示巡り

使い捨て製品に用いられた「生分解性かつ堆肥化可能」表示をめぐり、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)が、消費者の誤解を招くとしてスーパー大手ウールワースを訴えた裁判で、連邦裁判所は7月5日までに、ACCCの訴えを棄却した。裁判所は「環境に関する同社の主張が誤っていたり、誤解を招いたりするものではない」と判断した。

ACCCが問題視したのは、ウールワースが14年~17年にかけて、使い捨てピクニック製品「ダブル・セレクト・エコ」(皿やボウル、スプーン、フォークなどをセットにした商品)に用いていた「生分解性かつ堆肥化可能」という強調表示。

ACCCは「企業や消費者の間に、生分解性や堆肥化の意味について混乱があることを認識していながら表示した」と指摘。「事実を誇張せず、分かりやすい表示を求めた環境表示ガイドラインにも反する」とし、2018年3月にウールワースを提訴していた。

ACCCは「この表示は、家庭用コンポストや埋め立て地に製品を廃棄した場合、妥当な時間内に生分解や堆肥化されることを示すもので、ウールワースはそれを裏付けるための十分な説明やその努力をしていなかった」と主張したが、裁判では認められなかった模様。

ちなみに問題の製品の原料は、皿とボウルがバガス(サトウキビやトウモロコシを搾汁した後に残る繊維物質)、スプーンやフォークは結晶性ポリ乳酸(デンプン由来のプラスチック素材)だった。

ACCCは今後の対応を慎重に検討するとし、「引き続き誤解を招く環境表示を行う企業に対して訴訟を起こしていく」とコメントしている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. コンシューマーリポート
    米カリフォルニア州議会は6月3日、公立学校における不健康な超加工食品の提供を段階的に禁止する法案を可c
  2. コンシューマー
    ◎マイクロプラスチック放出を懸念 プラスチック製の食料保存用袋「ジップロック」を巡り、米国で、製造c
  3. コイン
    ◎ひょうご消費者ネット 銀行法違反の可能性も指摘、金融庁にも申出書 ゆうちょ銀行がATM利用時に徴c
  4. 全国消団連記念講演会
    全国消費者団体連絡会は第13回定時総会後に記念講演会「エネルギー・気候変動対策に関する2025年のトc
  5. オンラインカジノ防止啓発チラシ
    ◎オンラインカジノ特集し啓発強化 総務省は、青少年に向けて毎年作成している「インターネットトラブルc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る