消費者だます「ダークパターン」 米消費者団体が通報窓口設置

消費者を巧みに誘導して不要な買い物をさせるサイト設計「ダークパターン」を巡り、米消費者団体コンシューマー・リポートなどは5月19日、匿名の通報サイト「ダークパターン・チップライン(Dark Patterns TipLine)」を立ち上げた。消費者からの通報を促すことで注意喚起や啓発につなげるとともに、寄せられたデータを分析し、政策提言や悪質事業者の特定などに活用する。

ダークパターンの有害性については、IT専門家や弁護士、規制当局などを中心に議論が行われてきたが、コンシューマー・リポートは「消費者はこの問題にもっと目を向けるべきであり、議論の方向性も消費者の視点が欠けている」として、通報サイトの意義を強調した。サイトにはウェブデザイナーや有識者、弁護士、IT技術者などが参画し、データ分析や政策提言を進めていく。

ダークパターンはインターネット上に一般的に存在するが、消費者を欺くように設計されているため見つけにくい。同サイトでは、身近なアプリや通販サイトの事例を紹介。同意なしに有料会員の更新が行われたり、配送料が勝手に上乗せされたりするケースを事業者名とともに公表している。通報する際はスクリーンショット画像と事業者名、URLを送信するよう呼びかけている。

ダークパターンを巡っては、米連邦取引委員会(FTC)が欺瞞的な商慣習を禁止したFTC法に基づき、事業者を提訴するなど監視を強めている。また、カリフォルニア州が特定のダークパターンを禁止する規則を発効するなど、いくつかの州で規制に向けた動きが広がっているという。

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