【豪州】健康格付マーク表示義務化を 宣伝文句に弱い消費者

食品の健康度合いを星を数で表す格付けマーク「ヘルススターレーティング」を巡り、豪州の消費者団体CHOICEは11月12日、制度の対象となっている食品については表示を義務付けるよう呼びかけた。消費者の多くがマークを活用する一方で、マークのない製品についてはブランドや宣伝文句、イメージ画像で健康度合いを判断し、時に誤った選択をしていることが分かったため。マークのない食品には砂糖を大量に使った不健康なものが多いと指摘している。

ヘルススターレーティングは2014年に始まった食品ラベル制度。脂肪、砂糖、塩分の含有量などをもとに食品の健康度合いを評価し、消費者が一目でわかるよう五つ星で表示する仕組み。制度開始から約5年が経過し消費者の認知も進む中、表示していない食品も多いという。

こうした中、CHOICEは包装デザインの影響を調べるアンケートを実施。その結果、企業のマーケティングに依存しやすい消費者の姿が浮かび上がった。調査によると、ヘルススターレーティングの付いた食品でさえ、52%の人はうたい文句やイメージ画像などを考慮に入れて健康に良いかどうかを判断。格付けマークのない食品では、その割合は75%に上昇した。

また、ナッツなどを使ったスナックバー4商品のパッケージだけを見せて、どれが最も健康的かを尋ねたところ、49%の人が最も有名なブランドのもの選択。この食品のレーティングは5段階中2段階と低位だったが、格付けマークをパッケージに表示していなかった。

CHOICEは「多くの消費者は格付けマークがないと、人工着色料不使用やグルテンフリー、果物だけ使用などといった強調表示やイメージ画像、ブランド名に依存する傾向がある」と指摘した。

現在、政府は制度の再点検と内容更新を検討中。2023年末までに対象食品の表示率を70%に引き上げる目標を掲げているが、同団体は「ヘルススターレーティングは食品の選択に重要な役割を果たしている」として表示の義務化を訴えている。

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