遺品整理サービス、3割が契約書なし 総務省が実態調査

故人の遺品整理を専門業者に依頼する「遺品整理サービス」を巡り、総務省が実態調査をおこなった。業界を規制する「業法」がなく情報が限られる中、契約トラブルなどの問題点について実態を把握するのが狙い。調査では、3割を超す事業者が契約書を交付していないなどの実態が浮かび上がった。

調査は2018年9月~今年3月、協力が得られた69事業者と業界2団体を対象に実施した。

その結果、多くの事業者が2009年以降にサービスを開始。約7割が他業種からの参入で、45事業者が「区分」(遺品を必要なものと不用なものに分ける)」と「搬出」(故人宅から指定の場所に運ぶ)の2つのサービスを、21事業者が「区分」のみのサービスを提供していた。

取得していた許可は古物商許可が32事業者、一般廃棄物収集運搬業許可が7業者、その両方が27事業者。廃棄物の「搬出」を行う場合は一般廃棄物収集運搬業の許可が必要で、許可を取得していない業者は「他業者に処理を依頼」(18業者)、「遺品をまとめて自社倉庫等に持ち帰り、選別後、自社の廃棄物として処理」(14事業者)するなどしていた。

消費者との契約を巡っては、69業者のうち63事業者が見積書を作成していたものの、契約書を取り交わしているとの回答は43業者(62%)にとどまった。24事業者(34%)は契約書を作成しておらず、そのうち17事業者は「必要性を感じない」との理由で作成していなかった。見積書・契約書ともに作成していない事業者は5事業者だった。

また、55事業者がホームページやチラシで料金の目安を掲載していたが、あえて料金を掲載しない事業者もあり、その理由について「荷物の量や立地条件などによって料金は様々であり、依頼者に誤解を与えないため」と回答。一方で、依頼者が作業現場に立ち会わない場合、作業前後の写真を撮影するなどしてトラブル防止策を講じる事例も見受けられた。

遺品整理サービスを巡っては「高額な追加料金が発生した」「処分しない予定の遺品が処分された」などの消費者トラブルが発生。国民生活センターが18年7月、注意を呼びかけるなどしていた。総務省は調査結果を取りまとめ、消費者庁や国民生活センター、警察庁など関係機関に情報提供をするという。

関連記事

消費者運動年鑑2020

ニッポン消費者新聞最新号

新着記事

  1. 日本生協連藤井専務
    日本生活協同組合連合会(日本生協連)は10月23日、2020年上期(4~9月)の事業状況を報告し、新...
  2. 札幌
    解禁から1年が過ぎたゲノム編集技術応用食品を巡り、北海道消費者協会(札幌市、畠山京子会長)が厚労、農...
  3. 薬害オンブズパースン会議
    薬害、医療被害発生の防止活動を続ける「薬害オンブズパーソン会議」(代表・鈴木利廣弁護士)はこのほど、...
  4. AARP
    米国の高齢者団体AAPRは10月22日、「タッチレス技術で生活がもっと便利になる」として、手を触れず...
  5. ダイソン偽サイトトップページ
    実在の通信販売サイトをかたった偽サイトなどに対し、消費者庁は10月21日、当該サイト名を公表し、被害...

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同...
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際...
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日...
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビスス...
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6...
ページ上部へ戻る