米国抗議デモでCRが声明 「公正のために戦い続ける」

アメリカ各地で人種差別に対する抗議デモが広がっている問題で、米消費者情報誌コンシューマーリポート(CR)のマルタ・L・テラードCEOは6月2日、声明を出した。

米社会に根差す人種差別の構造を簡単に解決する方法はないとする一方で、「すべての消費者にとって公正な市場となるよう戦い続けることが我々の役割だ」と強調。パンデミックの影響で人種による健康的・経済的な格差が広がっていることも、今回の事件やその後の過激な抗議デモにつながっているとの認識を示した。

テラードCEOは声明で、「パンデミックの混乱とともに、我が国はもう一つの耐え難い苦痛に直面した」として、根深い人種差別問題を指摘。今回の事件が新型コロナで生まれた人種的な格差拡大によりもたらされた面が大きいとの考えを示した。

また、人種差別が市場の公正をゆがめている事例として▽黒人やラテン系アメリカ人が多く居住する地域の不動産価値が不当に低い▽自動車保険料が人種によって格付けされている(黒人は割高に設定されている)▽黒人女性の出産時の死亡率が2.5倍近く高い――ことなどを例示。「人種的、経済的、社会的なゆがみを解消していくことが我々消費者団体の役割であり、唯一の解決方法だ」と強調した。

テラードCEOは「我々は現在の市場が本質的に中立的でも公正でもないことを強く認識している。我々の使命はすべての家族や地域に安全性と公平性を提供することであり、そのために働き続け、戦い続ける」と決意を表明した。

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