食の志向、「経済性」と「簡便化」が過去最高値 日本公庫調査

日本政策金融公庫(日本公庫)が実施した消費者動向調査において、食に関する志向のうち「経済性志向」と「簡便化志向」が2008年の調査開始以来最高値となったことがわかった。一方で「安全志向」「国産志向」「外食指向」などは低下した。調査は今年1月、全国の20歳代~70歳代の男女2000人(男女各1000人)を対象にインターネットで実施した。

消費者動向調査は消費者の食に関する意識や購買行動などを把握するため、毎年1月と7月に実施。食に関する志向のほか、その時々のテーマを尋ねている。

今回の1月調査によると、食に関する志向は前回調査(昨年7月)に引き続き、「経済性志向」「健康志向」「簡便化志向」が3大志向となり、それぞれ上昇。それ以外の「安全性志向」「手作り志向」「美食志向」「国産志向」「ダイエット志向」「地元産志向」「外食志向」「高級志向」はいずれも前回調査と同率または低下となった。

「経済性志向」は1.4ポイント増の45.6%で、調査開始以降で過去最高を更新。選んだ理由として「物価が上昇しているためお金をかけられないから」(54.2%)が最も高くなった。

「健康志向」は0.8ポイント増の44.0%。選んだ理由は「自身や家族の健康状態に改善すべきところがあるから」(27.3%)が最も高くなった。

「簡便化志向」は4.8ポイント増の40.3%で、初めて40%を超えた。選んだ理由は「調理・片付けなどが面倒だから」(39.0%)が最も高く、行動は「冷凍食品を活用」(44.3%)が最も高くなった。

今回の調査では、日本の将来の食料輸入についての考えも尋ねた。その結果、「不安がある」との回答割合が81.2%にのぼり、前回調査(昨年1月)と比べて3.4ポイント増えた。その理由として「気候変動や自然災害が輸出国における食料生産に影響を与え、必要な輸入量を確保できなくなる懸念があるから」(32.7%)が最も高く、次いで「紛争や政治的な緊張、輸出国の政策変更などにより、必要な輸⼊量を確保できなくなる懸念があるから」(30.7%)が続いた。

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