福島県産食品「購入ためらう」減少、検査情報の入手機会も減少

消費者庁は効果的なリスクコミュニケーション推進などの参考にするために定期的に消費者アンケート調査を実施しているが、このほど、その10回目の調査結果を発表した。食品中の放射性物質を意識して福島県産食品の購入をためらう人はこれまでの調査の中で最も少ない13.2%となった。ただ、検査が行われていることを知らない人の割合は微増し、食品中の放射性物質の検査に関する情報を入手する機会が減少していることも推測された。

この調査は、東日本大震災発生後、2013年から年2回実施しているもので、今回で10回目となった。被災4県の農林水産物について、消費者が買い控えをしている場合の理由などを調査し、効果的リスクコミュニケーションをはじめ、消費者理解の促進などに関する取組の参考にすることを目的にしている。20代から60代までの男女を対象にしたインターネット調査。今回の有効回答数は5176人。

それによると、福島県産食品の購入をためらう人は13.2%。これまでで最も少ない数値となった。また、放射性物質の含有基準値を超過した食品は「出荷が制限され、流通・消費されない」ということを「知っている」と回答した人は41.3%。「検査が行われていること知らない」と回答した人は37.5%だった。いずれの数値の推移も、第6回目の調査から「横ばい状態にある」とされた。このことから、消費者には「食品中の放射性物質の検査に関する情報を入手する機会が減少している」と推測された。

また、「基準値以内であってもできるだけ放射性物質の含有量が低いものを食べたい」との回答は41.1%、「基準値はもっと厳しくするべきだ」との回答は17.9%だった。

消費者庁は今回の調査結果を踏まえて今後は大消費地を対象にアンケート調査に取り組み、効果的リスクコミュニケ―ションの手法を検討するとしている。

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