今度は「偽アマゾン」の架空請求 消費者庁と東京都が注意喚起

SMS(ショートメッセージサービス)を使って有料動画の料金が未納になっていると連絡し、金銭を支払わせる詐欺行為が急増している。11月14日、消費者庁と東京都はアマゾンをかたる「偽アマゾン」の手口を公開。「アマゾンの未納料金をSMSを用いて支払えというのは詐欺の手口であり、こうした要求には絶対に応じないこと」と消費者に注意を喚起した。

消費者庁と東京都の合同調査結果によると、アマゾンをかたる事業者はまず「有料動画の未納料金が発生しています。本日中にご連絡無き場合、法的手続きに移行します。アマゾン〇〇」などと記載したSMSを消費者の携帯電話に送信してくる。

それを見た消費者は、アマゾンの配信する動画を閲覧した覚えはないものの、他のサイトの動画を閲覧したことと何らかの関係があるのかもしれないと思うなどして、確認のためSMS配信の電話番号に電話をしてしまう。

消費者からの連絡に対し、アマゾンをかたる事業者は消費者の氏名、生年月日などを尋ねて、調べてみると言いながら、電話を切らせず、しばらく待たせたのちに、

「お客様は〇〇という動画サイトを利用しており、料金未納の悪質な利用者だとみなされて請求が上がっています」
「あなたは〇〇という動画サイトを利用しており、1年間未納状態で〇〇万円の滞納金が発生しています」

などと告げ、実際には存在しない未納料金の支払いを求める。

さらに当該事業者は「本日中に支払わなければ民事裁判へ移行する」「今支払わないともっと代金がかさむ」「本日中に支払わないと裁判費用に加え、自宅や職場への請求連絡を行い、ブラックリストに載せ、預金や財産の差押えをする」などと告げて消費者の不安をあおり、その日のうちに支払うように執拗に求めてくる。支払いに素直に応じない消費者に対しては「いったんお金を払えば後で返金される」と欺くという。

その上で、消費者をコンビニに誘い、アマゾンの通販サイトで使用できるアマゾンギフト券などを購入させ、その番号を伝えるように指示する。アマゾンをかたる事業者は番号を聞いた後に、すぐにギフト券を転売していることもわかった。

消費者庁と東京都は、偽アマゾン詐欺の実行者はグループごとに行動していることを示唆しつつ、特定者を把握することは難しいとして、同様の手口を公開し、消費者に注意を喚起した。

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