【米国】植物由来肉、正確な表示を 肉製品と区別つきにくく

米国で植物ベース代替肉の人気が高まる中、通常の肉製品と区別しにくい表示が行われているとして、全米消費者連盟(NCL)は3月16日、食品業界に改善を求めた。スーパーの肉製品コーナーで売られる場合が多い上、パッケージ前面にハンバーグなどの画像を載せている製品があり、混乱が生じていると指摘する。

米国では植物ベースのハンバーグやチキンナゲットが人気で、調査会社ギャラップが昨年実施した消費者調査では、成人の41%が植物ベース代替肉を「食べたことがある」と回答していた。NCLは「この調査は米国人の約半数が植物ベース製品に精通していることを示している」と分析。健康、環境、動物福祉などの観点から今後も利用者が増えるとして、業界に正確な表示を求めた。

一方、食品メーカーは市場拡大に向けてマーケティングに注力。製品に「ビーガン」や「ベジタリアン」と記載したり、ベジタリアンコーナーに陳列したりすると売り上げがにぶることが近年、明らかになり、「ビーガン」「ベジタリアン」の頭文字をとった「Vワード」を使わない戦略をとるなどしている。

NCLは表示や販売手法の問題点として▽「Chik」「Steaklet」「Well Carved」「Chick N’Mix」などの紛らわしい言葉が記載されている▽通常の肉製品コーナーに陳列されている▽ハンバーグやチキンナゲットの画像が使われている――などを指摘。「利益を伸ばすためのマーケティング手法がどうであれ、言葉遊びと製品配置の戦術が消費者の目を引くために使われている。パッケージの表示と画像は中身を反映したものでなければならないはずだ」と訴えている。

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