頭金や2年縛り、通信業界の商慣習に規制を 全国消団連が意見

全国の消費者団体で組織する「全国消費者団体連絡会」(東京都千代田区)は8月17日、電気通信サービスでみられる「頭金」表示や「2年縛り」などの商慣習について、規制措置を求める意見書を総務省に提出した。5Gの普及に伴い様々な分野にIoT製品が広がることが見込まれる中、「消費者の利便性や選択の権利が阻害されないよう、期間拘束や高額な解約金などの商慣習はなくしていくべき」だと訴えている。

意見書は「消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2021(案)」のパブリックコメントに提出されもの。提出前に総務省担当者を招いて学習会を開き、課題を精査するなどした。

意見書では通信業界の広告などで使われる「頭金」表示について、「あらかじめ決められた本体価格の上乗せの意味で使われる場合があり、本体価格の一部を支払う一般的な頭金とは異なっている」と指摘。消費者の誤解を招きかねない表示であるにもかかわらず、一部キャリアの販売代理店でいまだに不適切な「頭金」表示が行われているとして、事業者の自主規制だけでなく制度的な規制措置を講じるよう求めた。

また、「2年縛り」などの期間拘束契約を巡っては、FTTH(光回線)などで続いていると指摘。「電気通信サービスの品質は消費者がしらばく利用してみなければわからず、拘束期間中の解約では高額な解約料が発生するなど消費者トラブルの原因になっている」として、期間拘束や高額な解約料といった商慣習をなくすよう要望した。

そのほか、不意打ち的な電話勧誘(不招請勧誘)については「電話にて不意打ち的に行うという商法自体が時代遅れ」だとして禁止を要求。解約手続きの簡便化、「地域のICT拠点」化に向けた販売代理店への支援なども求めた。古い商慣習からの脱却を図り、5Gの本格普及と政府方針の「誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化」に対応した新たな環境整備を求める内容となっている。

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