ストーカーアプリSpyFone 米当局が販売禁止命じる

米連邦取引委員会(FTC)は9月1日、ストーカーアプリSpyFoneの販売禁止を運営事業者Support Kingとその代表者に命じた。また、違法に収集したデータの削除を求めるほか、ストーカーのターゲットとなった人々に対し、アプリが知らずにインストールされていることを通知するよう要請する。

ストーカーアプリ(ストーカーウェア)とは、スマートフォンの位置情報や通信履歴、メール・チャットの内容、ウェブ閲覧情報などを端末所有者以外の第三者がこっそりと監視することができるアプリケーションソフトのこと。

本来は子どものスマホ使用を監視するためのアプリとして流通していたが、ストーカー目的に使われることが多く、家族や恋人、友人により勝手にアプリをインストールされ、ハッキングされる被害が起きるなどしていた。

FTCによると、SpyFoneは端末所有者に気づかれないようスマホ画面上で非表示になる機能が搭載されていた上、監視が可能になるよう一部のセキュリティが無効になる仕組みになっていたという。FTCは同アプリの問題点として▽端末所有者の同意を得ずに違法に個人情報を収集していた▽収集データが漏えいするなど情報管理体制がずさんだった――と指摘している。

FTCがストーカーアプリへの措置に乗り出すのは今回が2件目。2019年10月22日、Retina-X Studiosが販売した3つのアプリに対し、販売禁止命令を出していた。Retina-X社は合計約1万5000件のアプリを販売し、サブスクリプションで監視サービスを提供して収益を得ていたという。

FTCはSpyFoneを通じてストーカー被害に遭った可能性のある人たちに向けて注意喚起も実施。「アプリを削除すると、ストーカーを怒らせて逆効果になる可能性がある。まずはDV(ドメスティックバイオレンス)専門カウンセラーなどに相談して身の安全を確保してほしい。ハッキングされた端末は新しく買い替えるのが最も手っ取り早く、安全だ」と呼びかけた。

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