【豪州】小売大手が顔認証カメラの使用を一時停止 当局も調査へ

豪州の小売り大手3社が顔認証機能付き監視カメラを店頭に設置していた問題で、ホームセンターのKマートとバニングスが同機能の使用を一時停止したことがわかった。家電量販店グッドガイズはすでに使用を一時停止しており、3社とも店頭から撤去した形。消費者団体のCHOICEが6月、実態調査結果を公表し、顔認証機能を使用した3社について、来店者の同意を得ないまま個人データを取得しているとしてプライバシー法違反を指摘していた。

調査結果の公表後、3社には市民から多くの抗議が寄せられたほか、プライバシー法を管轄するオーストラリア情報委員会(OAIC)も調査に乗り出している。

顔認証技術の使用停止を受け、CHOICEは「消費者にとっての勝利だ」と宣言。一方、3社のうちバニングスとKマートは「OAICの調査開始を受けた一時的な使用停止措置だ」と強調。顔認証技術の使用については「問題のある人を店から排除するためのもので、買い物客や従業員の安全を守るための犯罪防止の一環だ」と正当性を主張している。

この問題は現在、OAICの裁定待ちの状況。CHOICEは「我々の調査によって顔認証技術の使用問題は物議を醸しており、我が国にとって画期的な判決となるだろう」とコメント、「消費者が望んでいるのは完全な使用停止。我々もそれを求めていく」としている。

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