【米国】郵便料金値上げ 1年で3回 今後も続くおそれ

7月9日の日曜日、米国の郵便料金が値上げされ、ファーストクラス郵便(日本の普通郵便)が66セントとなった。値上げは今年2回目、この12カ月で3回目となる。USPS(米郵政公社)による矢継ぎ早の値上げについて、郵便利用者で組織する擁護団体「Keep US Post」は非難声明を出し、「前例のない暴走的な値上げは(スタグフレーションならぬ)スタンプフレーションを引き起こし、状況をさらに悪化させる」と指摘した。

Keep US Postは郵便サービスを利用する一般消費者、消費者団体、慈善・非営利団体、新聞、雑誌、カタログ通販、中小事業者などが結集した非営利擁護団体。「郵便は生活に不可欠なサービスである」という信念のもと、手ごろな価格、遅延・未達トラブルの防止、利用者保護などを求めて政策提言を行っている。

同団体は7月5日の非難声明の中で、「12カ月で3回の値上げはUSPSの247年の歴史の中でなかったこと」と強調。「度重なる値上げで郵便の取扱量が予測以上のペースで減少する一方で、料金変更に伴う内部システムの更新コストが急増している」と指摘した。今年1月の値上げ時には取扱量が前年比9%近く減少し、経費は16%増加したという。

経営改革に注力するルイス・デジョイUSPS総裁は収益が安定するまで、年2回のペースで値上げを続ける計画。これに対し、Keep US Postは「デジョイ総裁は値上げが収益をもたらすと考えているが、郵便ニーズの低下と内部コストの増加で状況を悪化させている」と指摘し、同計画に異議を唱えた。USPSの収益の9割は企業・団体の利用によるもの。行き過ぎた値上げにより、慈善・非営利団体、雑誌、地方新聞、カタログ業者の一部が活動停止もしくは廃業に追い込まれる可能性があり、早急な政治的介入が必要だと訴えている。

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