真空断熱タンブラー、保冷保温効果あり 北海道消費者協会テスト

◎冷水に入れた氷、6時間後も残存

温かい飲み物や冷たい飲み物を適温に保つことが可能な真空断熱構造のステンレスタンブラーは、自宅やオフィスだけでなく、アウトドアでも使用できることから人気が高い。そこで、北海道消費者協会は、ふたや持ち手のないコップタイプの製品について、保温性や保冷性を調べる商品テストを行った。

対象は内容量が420~450ミリリットルの5銘柄。すべてのテストは室温が20℃(許容誤差は上下2℃)の状況で実施した。

真空断熱ステンレスタンブラー

テストした真空断熱構造のステンレスタンブラー5銘柄(写真提供:北海道消費者協会)

保冷効力のテストでは、4℃以下の水を300ミリリットル入れ、水温が4℃の時から測定を始めた。その結果、1時間後の温度は4.5~4.9℃で、保冷効力の表示があった3銘柄は表示温度(7℃)以下を満たしていた。また、4℃の冷水200ミリリットルに冷蔵庫の自動製氷機で作った氷を入れた場合、6時間後の温度は0.1~0.7℃で、すべての銘柄で氷が残っていた。

一方、熱湯300ミリリットルを入れ、水温が95℃の時から測定を始めた保温効力のテストでは、1時間後の温度は48.2~52.0℃となった。保温効力の表示のあった1銘柄は48.5℃で、表示温度(49℃以上)よりも低い結果だったが、今回のテストは表示温度の測定条件よりも湯量が少ない条件で行ったため、同条件であれば表示を満たしたと考えられた。また、ふたの効果を調べるため、ラップ、アルミ箔、ラップ+アルミ箔をそれぞれかぶせたところ、1時間後の温度は75.1~78.0℃で、ふたをしない場合より平均で25.4℃高くなった。

製品の特長である真空断熱構造とは、本体内側と外側を二重構造にして、その二重壁の間を高真空状態にすることで熱の移動を遮断するもの。保冷保温効果が高いうえ、熱い飲み物を持った時に熱くなく、冷たい飲み物を入れても結露しないなどの利点がある。テストでも、すべての銘柄は結露が発生しなかった。

北海道消費者協会は「ふたのある真空断熱構造の水筒等と比べると保冷保温効果は低くなるが、グラスや陶器のコップと比べると効果は高くなる」としている。

(本紙「ニッポン消費者新聞」9月1日号より転載)

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. フランス消費者同盟
    動画投稿アプリ「TikTok」の複数のインフルエンサーが日焼け止めの危険性をあおり、使わないよう推奨c
  2. NCL
    米大リーグ、ワシントン・ナショナルズが観戦チケットを販売する際、手数料を開示していなかったなどとしてc
  3. 食品安全委員会
    食品安全委員会は7月23日、アレルゲンを含む食品のファクトシート(科学的知見に基づく概要書)を公表しc
  4. 東京都庁
    東京都は7月18日、2023年度インターネット広告監視事業の結果を公表した。1万6000件の広告につc
  5. コンシューマーリポート
    米消費者団体コンシューマー・リポートは7月12日、果物や野菜を洗う最も良い方法を示し、重曹や酢を用いc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る