【米国】食品包装用のPFAS耐油剤、メーカーが販売を中止

米食品医薬品局(FDA)は2月28日、特定の短鎖PFASを含む食品包装用の耐油剤が米国市場で販売されなくなったと発表した。この耐油剤は、安全上の懸念で販売中止となった長鎖PFASの代替品として使われてきたもの。油漏れ防止や耐水性を高める目的でファストフード包装紙や電子レンジ用ポップコーン袋、テイクアウト用包装、ペットフード袋などの紙製包装に用いられてきた。FDAとの交渉を通じて、日系2社を含む4メーカーが2020年から段階的な廃止に取り組んできた。

4メーカーはアークロマ・マネジメント、AGCケミカルズ・アメリカ、ダイキン・アメリカ、ケマーズ・カンパニー。

FDAは発表の中で、「公衆衛生におけるこの勝利は、我々の研究とリーダーシップ、そして産業界の協力の成果だ」と強調。ジム・ジョーンズ副長官は「食品包装からのPFAS曝露が排除されつつある」とし、食品接触用途の認可済みPFASの再評価を進め、FDA主導で取り組みを加速させると語った。

FDAの発表を受け、非営利団体U.S.PIRGは称賛する声明を発表。ダニエル・メルガー氏は「私たちの昼食が有毒な化学物質で包装されるべきではない。事実上、すべての国民の体内にPFASが残留し、胎児への移行が懸念される状況にあり、永遠の化学物質を排除するために時間を無駄にすべきではない。この不条理な脅威を消費者の食卓から一掃するという重要な前進を称賛する」とコメントした。

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