<英国>銀行の支店閉鎖がさらに加速 高齢者への影響を懸念

英銀行大手ロイズ・バンキング・グループが新たに49支店の閉鎖を発表したことを受け、消費者団体Which?は4月17日、今年の銀行支店閉鎖総数がこれで418件になったと発表した。同団体は支店閉鎖動向を監視する取り組みを展開中で、「2015年以降1944件の支店が消えたが、ますますペースが加速している」とコメントした。

ロイズは昨年12月に49支店の閉鎖を発表していたが、今回新たに49支店を追加する計画を明らかにした。年内の閉鎖が決まっているのは、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)などのグループが269支店、ロイズが98支店、バークレイズが43支店、ヨークシャー・ビルディング・ソサエティが8支店の計418支店。ロイズの広報担当者は「支店閉鎖は取引数の減少に対応して行ったものだ」と説明した。

Which?は「銀行支店閉鎖マップ」をホームページ上で公開し、金融会社に預金者の保護を呼びかける取り組みを展開してきた。金融機関との意見交換では、RBSのロス・マクワンCEOが「支店の利用者が40%減少した一方で、モバイルバンキングの利用が急増している」と説明するなどしていた。

Which?は、急激な支店閉鎖とモバイルバンキングの拡大の狭間で、地方に住む高齢者の利便性が大幅に低下していることを懸念している。銀行側は郵便窓口を経由したネットワークを充実させるとともに、移動店舗車を運用して需要に応える方針。追加の支店閉鎖を発表したロイズは移動店舗車を7台増やし、計36台体制で地方をカバーすることを約束した。

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