ゲノム編集食品、届け出制「義務化を」 全国消団連が学習会🔓

ゲノム編集技術を使った食品の開発が最終段階に入る中、厚生労働省の専門調査会は12月5日、食品衛生法上の取り扱いについて大筋の方向性をまとめた。新たな遺伝子が組み込まれていない食品については安全性審査の対象外とする一方で、開発者に開発情報の届け出を任意で求めた。これを受け全国消費者団体連絡会は12月14日、厚労省との意見交換学習会を開催。参加者からは「届け出を義務化すべきだ」「消費者に情報が届くのか不安だ」との声があがった。

■事業者まかせの届け出制度に不安の声

全国消団連ゲノム編集食品学習会

意見交換に応じる厚労省の森田剛史室長(右)と国立医薬品食品衛生研究所の近藤一成部長(14日、主婦会館プラザエフにて)

国内で開発が進むのは、保存性を高めたトマトやアミノ酸の一種GABAを多く含んだトマト、毒性のあるソラニンを低減したジャガイモなど。商品化の段階に入ったといい、政府は「統合イノベーション戦略」の中で、ゲノム編集食品の食品衛生法上の取り扱いについて今年度中に明確化するよう求めていた。

これを受け、厚労省の専門調査会では、ゲノム編集を現行の遺伝子組み換え技術と同様に規制するかどうかを議論。12月5日に取りまとめた報告書案では、新たに遺伝子を組み込んだものについては「安全性審査が必要」としたのに対し、標的とした遺伝子のみを変異させる方法などについては規制対象とせず、開発者による任意の届け出を求めることとした。これにより、開発中の多くのゲノム編集食品は、安全性審査を経ずに市場に流通することになるという。

約30人の消費者・事業者が集まった全国消団連主催の意見交換学習会では、届け出制度を義務化すべきだとの声が多くあがった。明治大学講師の山浦康明さんは…(以下続く)

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