日本消費者政策学会が発足 樋口会長「研究成果を現場へ」🔓

学識者などで作る「日本消費者政策学会」(樋口一清会長)が11月に発足した。実践的な研究成果を消費者課題に反映させる狙い。12月には設立記念シンポジウムを開催、今年はジャーナル発行や勉強会の開催など活動を本格化させる。樋口会長は「学問的成果を現場に活かさないと複雑化する課題に対応することは難しい。学会を様々な立場の人が議論する場としたい」と参加を呼びかけた。

日本消費者政策学会樋口一清会長

インタビューに応じる樋口一清会長。幅広い分野の研究者、個人の入会を呼びかけた(1月15日、法政大学大学院内の学会事務局にて)

消費者政策に重点を置いた学会の必要性については、2012年から話が持ち上がっていたといい、樋口会長は「中央で議論する消費者政策と地方の現場との間に大きなギャップを感じ、中立的な立場で実践的な研究成果を発信する学会が必要だと感じた。最近は地方行政の問題だけでなく、ネット社会の進展、地球環境問題、超高齢化社会など新たな課題も浮上し、行政だけで根本的解決を目指すのは難しい状況だ。学会は、政策に直接声を届くような形で研究者が議論し交流する場としたい」と設立の経緯を語った。

11月の設立に当たっては、52人の発起人が集結。12月の設立記念シンポジウムには全国から研究者など約100人が参加した。諸分野からの参加を呼びかけた結果、消費者法、消費者教育、製品安全、食品安全、環境問題、消費者志向経営を含む経営学などの学識者15人が理事として参画することになった。

5月をめどに学会誌「消費者政策研究」をホームぺージに公開する予定。その後、課題に応じた研究会や部会などを立ち上げ、活動実績を積み上げていく方針だ。現在、会員募集中。研究者を対象とした正会員(会費年3千円)のほか、一般個人や相談員等を対象とした準会員(無料)などをホームページで募っている。事務局は法政大学大学院樋口一清研究室。

■樋口一清会長の話

消費者政策は霞が関だけで議論するものではなく、地方、消費者、企業、学識者との協働が必要。消費者庁は昨年、「消費者政策推進のための専門人材の育成・確保に関する懇談会」を立ち上げたが、人材養成は学会としても重要な課題だ。大学には消費者学部もなければ…(以下続く)

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