16年度の食品ロス643万トン 家庭系は2年連続増加

農水省と環境省は4月12日、2016年度に国内で発生した食品ロス量が643万トンになったと発表した。前年度と比べて3万トン減ったものの、家庭からの発生量は2万トン増加した。

2016年度は2759万トンの食品廃棄物が発生し、そのうち食べられるのに廃棄された食品ロスは643万トン(前年度比3万トン減少)。内訳は事業系が352万トン(5万トン減少)、家庭系が291万トン(2万トン増加)。家庭系は2年連続の増加となった。

国連WFPによると、世界の飢餓人口は8億2100万人(9人に1人)で、3年連続の増加。WFPは2017年に380万トンの食糧支援を行ったが、日本の食品ロス量はこれを大きく上回っている。

国連の持続可能な開発目標(SDGs)では、2030年までに「飢餓ゼロ」を達成し、食品ロス問題では世界全体の1人当たりの食料廃棄を半減させることを掲げている。WFPは「飢餓は増加を続け、10年前の状況に逆戻りした」と指摘。目標達成に向け「緊急に対策が採られるべきである」と警告を発している。

■日本の食品ロスの推移(環境省資料より作成)
08年度 500万~900万トン(うち家庭から200万~400万トン)
09年度 500万~800万トン(うち家庭から200万~400万トン)
10年度 500万~800万トン(うち家庭から200万~400万トン)
11年度 500万~800万トン(うち家庭から200万~400万トン)
12年度 642万トン(うち家庭から312万トン)
13年度 632万トン(うち家庭から302万トン)
14年度 621万トン(うち家庭から282万トン)
15年度 646万トン(うち家庭から289万トン)
16年度 643万トン(うち家庭から291万トン)

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