家電PLセンター、相談受付状況公表 損害事故相談4年ぶり減少

家電製品事故をめぐる裁判外紛争解決手続機関「家電製品PLセンター」(丸子哲也センター長)がまとめた2018年度相談受付状況によると、損害事故相談が前年比14%減の262件となり、4年ぶりに減少に転じた。

被害が製品にとどまる「非拡大損害事故」相談が前年比5%増の123件と増加したものの、けがや物損に至る「拡大損害事故」相談が25%減の139件と大きく減少。損害事故相談合計では減少となった。昨年上位を占めていた充電器やパソコン、携帯電話の相談が大きく減ったことが一因にあると分析した。

丸子哲也センター長

丸子哲也・家電製品PLセンター長

「拡大損害事故」相談は洗濯機(23件)、冷蔵庫(16件)、ルームエアコン(11件)、掃除機(10件)など。洗濯機は昨年に続き1位となり、「水漏れにより、床が腐った」といった事故相談のほか、運転中の洗濯機の足元に手を入れて重傷を負ったという事故相談も寄せられた。

一方、前年度に上位を占めた充電器やパソコン、スマートフォンが大きく減少。丸子センター長は「充電器は、当センターの対象製品ではないが、2018年2月にモバイルバッテリーが電気用品安全法の規制対象になり、今年2月からPSEマークのない製品は製造・輸入・販売ができなくなったことで事業者や消費者の安全意識が向上したのではないか」と語った。

また、18年度の斡旋案件は2件だった。グリル鍋を化粧箱に収納する際、製品の底面で指を負傷した事故では、収納方法について取扱説明書への記載の配慮不足と消費者の注意不足が、本件事故発生に影響したと判断する斡旋案を提示。双方が合意して解決した。一方、電気湯たんぽによる火災事故では、事業者が手続きに応じず終了となった。

同センターは昨年12月にWEBサイトを刷新し、スマートフォン版を新設。また、昨年4月からは相談時間を30分延長するなど相談受付体制を強化しており、以降、相談や問い合わせが増加傾向にあるという。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. こどもの事故
    ゴールデンウィークを控え、宿泊先や親戚の家に置かれた製品で子どもが思わぬけがをする可能性があるとしてc
  2. 電話相談
    大阪弁護士会の消費者保護委員会は4月26日・27日の両日、紅麹サプリ健康被害110番を実施する。小林c
  3. 豪州消費者団体Choice
    住宅ローンや家賃に関する苦情が増加しているのは銀行が苦境に立たされている人を十分支援していないからだc
  4. 鶏肉
    日本政策金融公庫が実施した畜産物の購入に関する消費者動向調査によると、食肉と牛乳について、およそ6割c
  5. コンシューマーリポート
    4月22日のアースデイを前に、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは気候変動が消費者の財布に与えc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る