【米国】教科書出版大手の合併に反対 「価格高騰招く」

消費者擁護の非営利団体U.S.PIRGは7月29日、教科書出版大手のセンゲージ(Cengage)とマグロウヒル(McGraw-Hill)の合併に反対する声明を出した。「市場の競争が失われ、教科書の価格がさらに高騰することになる」と指摘している。

大学用教科書市場は大手5社が8割を支配する寡占状態で、教科書価格は長年に渡り上昇し続けてきた。センゲージとマグロウヒルによる大手同士の合併が実現すると、最大手のピアソンと肩を並べる規模になり、二大出版社による寡占がさらに強まる可能性がある。また、マグロウヒルはデジタル化に熱心で、古本市場への教科書の流出を完全に阻止する構え。学生は高価なデジタル資料の購入を余儀なくされ、U.S.PIRGの調査では65%が「購入をあきらめた経験がある」と回答していた。

U.S.PIRGは「2社の合併は教科書市場の改革にはならず、壊れた市場を存続させるだけだ」と批判している。

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