不審な家屋修理見積もり 災害関連相談が急増

10月の台風15号、19号による災害関連相談が各地の消費生活センターに集中的に寄せられている。消費者庁・伊藤明子長官は10月24日の定例記者会見で、家屋修理の見積もりをきっかけにした訪問販売や不審な義援金募集の相談事例も目立つとした。今後消費者庁として適正な情報提供を推進するとし、落ち着いた対応を消費者に求めた。

災害関連トラブルを説明する伊藤明子消費者庁長官

災害関連の消費者トラブル防止を呼びかける伊藤明子消費者庁長官(24日、消費者庁にて)

伊藤長官によると、10月23日現在、全国の消費生活センターなどに寄せられている災害関連相談は、台風15号関連が1,017件、19号関連が183件と説明した。「今後19号関連相談が多くなると推測している。消費者庁として相談事例を精査し、適切な情報提供や被災支援活動を検討していく」としている。

寄せらられた相談事例には、「不審な義援金募集」「家屋修理の見積もりサービスの勧誘」などがあるという。被災初期の段階では、コンサート・イベントのキャンセル料関連トラブルが目立ったが、現在は「台風15号の家屋修理の途中で、19号によってさらに被害を被った。どこに相談したらいいか」などの深刻相談が増えているという。

同庁ではすでに10月18日、「災害後の消費者トラブル防止のために」と題したチラシを作成。「台風19号からの生活再建や被災地支援のために押さえておきたいポイント」を提示している。「地方公共団体の職員が義援金を個別訪問で集金したり、義援金募集のために電話をかけたりしてくることはない」「消費者が依頼していないのに、訪問購入に関連した勧誘を行うことは法律違反にあたる」など、事例をもとに注意点を紹介している。

実際の相談例なども公開し、「消費生活上心配なことがある場合は、一人で悩まず消費者ホットライン188に相談を」と呼びかけている。同庁では、災害発生前の行動、災害発生後の消費者トラブル回避への行動などに関する情報をウエブサイトで紹介。大規模災害発生への今後の対応としても整備していく。

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