【英国】ソニー・パナ製TV、乗り換えないのは誤った忠誠心?

家電製品を購入する際、特定のメーカーにこだわる人は多いが、英国の消費者団体Which?は11月7日、ソニーとパナソニック製のテレビを愛し続けると選択を誤ることになると忠告した。同団体が行った4Kテレビの品質テストでは、LGとサムスンの評価がソニーとパナソニックを上回り、この数年間で徐々に差が開きつつあるという。品質の維持・向上に苦しむソニーとパナソニックだが、ブランド力は依然として高く、Which?「過去の高品質のイメージが今なお消費者を惹きつけている」と分析している。

Which?の会員1万人以上を対象とした技術信頼性調査によると、テレビを買い替える際、ソニー製テレビの所有者の52%が再びソニーを、パナソニック所有者では59%がパナ製テレビを購入していた。一方、サムスンは32%、LGにいたってはわずか18%と低迷していた。

今年実施した4Kテレビの品質テストでは、70%の高スコアをたたき出したLG、68%のサムスンに対し、ソニーは61%、パナソニックは60%。ソニーとパナソニックが品質向上に手間取る中、LGとサムスンは順調にスコアを伸ばし、この数年間で差が開きつつあった。Which?は「高品質のLGとサムスンのブランド力が低いことに驚かされる。なぜ(乗り換えない)消費者は優れたブランドを選ぼうとしないのだろうか」と疑問を呈している。

要因の一つとしてあげたのが、アンケートの設問内容によるもの。直近1年間にテレビを買い替えた人のみを対象としたわけではないため、4社の品質に差のなかった数年前の頃の意見が反映されている可能性があった。また、ソニーとパナソニックが愛され続ける理由として「長年親しまれてきたブランドであり、知名度も高い。テレビが箱型(ブラウン管)だった頃から最高の製品を作り、その優位性はプラズマスクリーン時代まで続いた。全盛期の頃の高品質のイメージが定着しいて、消費者の記憶に今もなお鮮明に残っている」と分析した。

現在、英国のテレビ市場はLGとサムスンが圧倒的シェアを握っているが、ひいきのブランドを愛してやまない消費者も少なからずいるとしている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. PFASワーキンググループ
    食品安全委員会のPFASワーキンググループは4月26日、第8回会合を開き、「PFAS(有機フッ素化合c
  2. 米国の保険関連非営利組織「国家保険犯罪局」(NICB)は5月9日、盗難車に関する2023年報告書をまc
  3. 伝統的易学業界
    国民生活センターも参加、トラブル事例を解説 伝統的な易学の研究・普及に取り組んでいる占い関連団体がc
  4. 消費者庁デジタル班
    詐欺的定期商法など排除へ 事業者への注意喚起通知1600件 インターネット通信販売に関するトラブルc
  5. U.S. PIRG
    プラスチック製品に欠かせない原材料「プラスチックペレット」の環境への放出を禁止する法案が米下院で支持c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る