【米国】プラスチックごみ対策、最善手は使い捨て製品の禁止

食品政策を監視する非営利団体U.S.PIRGは2月20日、プラスチックごみ汚染の最も効果的な対策として、使い捨て製品の禁止措置を提案した。ストローやレジ袋、食品包装、発泡スチロール容器などの規制を要求、「プラスチックごみが洪水のごとく海洋に流出している。浴槽があふれた時は蛇口をしめることが最善手だ」と指摘した。

2月初旬にトム・ウダール上院議員らが抜本的対策を盛り込んだ連邦法案を提出したが、今年中の成立は困難な見通し。米国におけるプラごみ対策は依然として州と自治体が主導する形になっている。

U.S.PIRGがまとめたファクトシートによると、プラスチックごみのうちリサイクルにまわるのはわずか8%。残りの大半が埋め立て地と焼却炉で処分され、一部が環境中に流出して海洋生態系を混乱に陥れている。また、プラごみの半分(47%)を使い捨て製品と容器包装が占める状況だという。

同団体は「わずか数分使われた後に捨てられたストローなどの使い捨て製品が何世紀も海洋を汚染し、クジラやイルカ、ウミガメなどの生物を危険にさらしている。全国の州と自治体は禁止措置をとるべきだ」と呼びかけた。米国では1日平均2億8000万枚以上のレジ袋が使用され、ほとんどが数分間使われた後に廃棄されている。ニューヨーク州が3月からレジ袋の提供を禁止するなど9州が使い捨て製品の禁止措置に乗り出しており、同団体は「他の州も追随を」と呼びかけている。

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