CPSC委員長にナンシーベック氏指名 103団体が拒否要求

トランプ大統領より米消費者製品安全委員会(CPSC)の委員長に指名されたナンシー・ベック氏について、消費者団体など103団体は6月16日、「公衆衛生と安全がおびやかされる」として、連邦議会上院に対し、指名を拒否するよう要請した。

要請書やメディア報道などによると、ベック氏は毒物学者で、現在、米国環境保護庁(EPA)で有害化学物質と農薬の規制を担当。規制緩和を進めるホワイトハウスからの信認は厚いが、科学者や消費者・環境保護団体などからは政策の危うさを懸念する声が強まっていた。

ベック氏はペイントストリッパー(塗装剥離剤)に使われる塩化メチレンの禁止案に反対したり、水道水を汚染するフッ素化合物PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)の対策を進めなかったりする政策を強行。90人以上の科学者らが連名で、同氏を「科学的事実を一貫して無視し、化学メーカーを支持してきた」と糾弾する書簡を提出していた。

これに加え、アメリカ消費者連合(CFA)やパブリックシチズンなど103団体は「アスベストと鉛対策を滞らせ、農薬クロルピリホスの使用禁止を阻止した」などと指摘。上院商業科学委員会に要請書を提出し、ベック氏の指名を拒否するよう求めた。

CPSCはおもちゃ、家具、ベビーベッド、バギーカーなど1万5千カテゴリーを超える消費者製品の安全性を担う米国最上位の消費者保護機関の一つ。CFAなどは「ベック氏のこれまでの政策は公衆衛生と安全を危険にさらしてきた。(委員長の就任期間となる)7年もの間、彼女に強力な力を与えることは許されない」と訴えた。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 日本弁護士連合会
    内部通報したことを理由に従業員を解雇や懲戒処分にした個人、法人に刑事罰を科すことを盛り込んだ改正公益c
  2. イベント
    ◎消費者スマイル基金主催 4日まで参加者募集 消費者団体訴訟の支援に取り組む認定NPO法人消費者スc
  3. 消費者庁
    6歳未満の子どもが住宅のベランダ、窓などから転落死する事故が1993~2024年の32年間に全国で1c
  4. ニッポン消費者新聞2025年1月1日号
    特集 機能性食品データ情報公開訴訟 最高裁、消費者勝訴 原審への差し戻し命じる ~「公c
  5. ホワイトハウス
    米食品大手ゼネラルミルズは6月17日、2026年夏までに、米国内の小中学校に提供するシリアルと食品かc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る