いき値はあるか食品関連化学物質の発がんリスク NPOが検討

NPO法人食品安全グローバルネットワーク(会長・伊藤譽志男元国立衛生試験所食品試験部長、中村幹雄事務局長)は3月12日、参議院会館で「食品関連化学物質のリスクと安全性評価」をテーマに院内学習会を開く。食品衛生法の改正により食品用容器包装で使用される物質の規制のあり方が変わることや、学会の中で化学物質による発がん性の閾値(いきち)について議論が活発化していることなどが報告される。

この院内学習会は同ネットワークが継続して開催しているもので、15回目となる今回は「食品関連化学物質のリスクと安全性評価」というテーマで開く。

当日は、食品衛生法改正による安全確保体制の変化が紹介される。変化の1つとして食品器具や容器・包装に使用される化学物質が、現行「ネガティブリスト」制度から「ポジティブリスト」制度へと変更することについて、元国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部長の河村葉子さんが説明する。

また、発がん性のいき値について、最新の研究成果も報告される。元食品安全委員会添加物専門調査会座長の福島昭治さん(大阪市立大学名誉教授)は遺伝毒性発がんに関するいき値の存在を説明する。いき値とは「毒性の反応しない量」あるいは「反応が出る最小の量」を示すもので、これまで遺伝毒性発がん物質の評価については「毒性のいき値がないもの」として位置付けられてきた。「いき値がないのでADI(1日摂取許容量)が設定できない」ことから、使用禁止とされてきた物質もある。

当日の学習会では、いき値の存在が紹介され、現行評価体制についての課題も提起される予定。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 大阪府消費者フェア2025
    毎年恒例の大阪府消費者フェアが10月25日、大阪府咲洲庁舎1階フェスパで開催される。府内の消費者団体c
  2. 第19回キッズデザイン賞表彰式
    ◎消費者担当大臣賞は「アトリエ・バンライ―ITABASHI-」 子ども視点の優れた製品や施設、取りc
  3. 携帯用扇風機事故
    リチウムイオン電池を搭載した製品の発火・発煙事故が相次ぐ中、消費者庁は10月2日、日常的に着用したりc
  4. ロングランシリーズ テイゲン ◎女子栄養大・香川靖雄副学長インタビュー 女子栄養大の香川靖雄副学c
  5. 女子栄養大
    コンシューマーワイド 平均寿命が「亡くなるまでの期間」を指すのに対し、健康寿命は「健康で自立して暮c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る