アニサキス、醤油やわさびで死なない 44%が知らず 愛知調査

近年多発しているアニサキス食中毒について、愛知県が認知度調査を実施したところ、アニサキスの幼虫が食酢や醤油、わさびを付けても死なないことを「知らない」人が44.1%にのぼることがわかった。また、生の鶏肉からカンピロバクター菌が高い確率で検出されることを「知らない」人も46.9%にのぼった。

調査は今年7~8月、消費生活モニター149人を対象に行い、129人が回答。アニサキスとカンピロバクターなどについて認知度を調べた。

まず、「アニサキスの幼虫が寄生する魚介類(サバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなど)を生や生に近い状態で食べることで発症すること」について尋ねたところ、「知らない」との回答は17.3%。

一方、「アニサキスの幼虫は、一般的な料理で使う程度の食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても死なないこと」については44.1%が「知らない」と回答した。

「予防法として、加熱(60℃で1分、70℃以上で瞬間的)又は冷凍(-20℃で24時間以上)することが有効であること」を知らなかった人は31.5%だった。

次いで、生の鶏肉などで起きるカンピロバクター食中毒について調査を実施。「市販の生の鶏肉から高い確率でカンピロバクター菌が検出されること」を知らなかった人は46.9%にのぼった。

「飲食店で鳥刺し等の生や加熱不十分な鶏肉を食べるとカンピロバクター食中毒にかかる可能性があること」については「知らない」との回答が39.1%。

「鶏肉が新鮮であることとカンピロバクター菌の汚染とは関係がないこと」は「知らない」との回答が66.4%あった。

「たとえカンピロバクター菌に汚染された鶏肉でも、中心部まで加熱すれば問題なく食べることができること」を知らなかった人は48.4%だった。

さらに、ゲノム編集技術応用食品への関心について聞いたところ、ほぼ半々に分かれた。「関心が高い」は50.8%(「非常に関心が高い」11.7%+「比較的関心が高い」39.1%)で、「関心が低い・ない」が49.2%(「全く関心がない」10.9%+「比較的関心が低い」38.3%)となった。

食の安全・安心については「大人になって知ろうとしても限界があり、なかなか徹底することはできないため、子供のうちから家庭、学校、地域で協力して伝えていくことが大切。企業の協力も必要で、食の安全安心に前向きに取り組んでいる企業の製品を買うように努めている」(60代女性)、「コロナで国産食材を見直す良い機会だった。地産地消で安全な食材を使いたい。無添加のものも増えてきたのでよいと思う」(60代女性)などの意見が寄せられた。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 都地消連情報展
    東京都地域消費者団体連絡会(都地消連)は9月25日と26日の両日、東京都消費生活総合センターで「消費c
  2. コンシューマーリポート
    ◎子どもの多動性リスクを懸念 米カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が9月28日、州内の公立c
  3. 国民生活センター
    ◎国民生活センター、悪質手口を公表 「サギ列島日本」の一端がまた浮きぼりになった。国民生活センターc
  4. ニッポン消費者新聞2024年1月号
    特集 紅麹サプリ事故 海外で集団訴訟 日本の消費者団体は反対運動準備 ~食品被害救済制c
  5. 東京都消費生活総合センター
    東京都消費生活総合センターがまとめた「令和5年度消費生活相談年報」によると、2023年度に都内窓口にc

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る