人気商品買い占めボット禁止法案 米消費者団体「可決を」

インターネット通販を巡回して人気商品を買い占めるソフトウェア「グリンチボット」(grinch bot、別名ショッピングボット)を禁止する法案が提出されたことを受け、米国の消費者3団体は強く支持するとの声明を出した。

買い占められた商品が高値で転売されており、支持を表明した消費者団体の一つ、コンシューマー・リポートは「適切な価格で買おうとしている消費者が不利益を被っている。購入機会が等しく与えられる市場にする必要がある」と訴えている。

禁止法案「Stopping Grinch BOTS Act」は11月29日、Paul Tonko下院議員やRichard Blumenthal上院議員らが提出したもの。議員らによると、買い占めボットはホリデーシーズンに横行しやすく、ネット通販を巡回して数十秒間に何百件もの発注を出し、人気のおもちゃやゲーム、スニーカー、限定販売商品などを買い占めていく。これら商品はAmazonやeBayなどで高額転売されるという。

これまでの調査では、トイザらスで14.99ドルで売られていた人気おもちゃのフィンガーリングがAmazonとeBayで1000ドルで出品され、79.99ドルのニンテンドー・スーパーファミコンNESクラシックエディションが1万3000ドルで転売されたことがわかっている。

禁止法案は、インターネット通販事業者のセキュリティ対策を故意に回避するボットを連邦取引委員会法(FTC法)違反とし、FTCと司法長官に対し、ボットから消費者を保護する権限を付与する内容となっている。

コンシューマー・リポート、アメリカ消費者連合(CFA)、全米消費者連盟(NCL)の3団体は禁止法案への強い支持を表明するとともに、議会に迅速な可決を要求。消費者には転売品を購入しないよう呼びかけた。

コンシューマー・リポートは「転売ゲームに参加することは反消費者的な事業者に報酬を与えるようなもの。転売品を一切購入しないことがグリンチボットの抑制につながる」と指摘している。

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