ゲノム編集作物、社会的検証による表示は可能か 課題を議論🔓

従来の品種改良と変わらないため、科学的検証ができないゲノム編集作物について、社会的検証(文書の確認)をベースとした表示の可能性を探るメディアセミナーが3月25日、オンライン開催された。開発者からの情報を生産者・流通・消費者へとつないでいく仕組みが示される一方で、国内外での情報提供のルール化や分別生産流通管理の必要性、コスト増など様々な課題があげられた。

ゲノム編集作物メディアセミナー

パネルディスカッションで表示の可能性について議論する(右から)日本種苗協会・福田豊治氏、シジシージャパン・岩井弘光氏、名古屋大教授・立川雅司氏、全国消費者団体連絡会・浦郷由季氏(写真提供:ゲノム編集育種を考えるネットワーク)

セミナーは生産・流通・消費者などで作る「ゲノム編集育種を考えるネットワーク」(事務局・筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センター)の主催。今回は農作物に限定して議論を交わし、メディアなど約70人が参加した。

日本種苗協会の福田豊治専務理事は「南北アメリカ大陸ではゲノム編集の品種がすでに流通しているとの情報があり、種子の開発段階で意図せず持ち込んでしまう可能性がある。情報提供に協力してくれる海外企業ばかりではないのが実態だ」と表示の困難性を指摘。また、野菜の流通実態について「(表示をするには)品種ごとに区分する必要があるが、現状では品種名が流通過程で消えてしまっている。小売りの現場まで伝えていく仕組みが必要だ」と訴えた。

ゲノム編集食品の規制は各国で異なり、豪州や日本は規制対象外、EUは遺伝子組み換えとして取り扱う方針。立川雅司・名古屋大学教授は「トレーサビリティや表示をどのように運用していくのか、EUでも頭を抱えている…(以下続く)

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