一人暮らしの若者狙い浄水器を不当勧誘 愛知県が処分

「水道水の水質検査に来ました」などと告げて一人暮らしの若者宅を訪問し、試薬を用いて水道水をピンク色に変色させるなどして浄水器を勧誘していたとして、愛知県は3月24日、訪問販売業者「中部設備」と「ライフサポート」(どちらも静岡県浜松市)に対し、特定商取引法違反で3カ月の業務停止命令を出した。

同時に2社と業務委託契約を結び、営業や解約対応を担っていた「エンバーク」(静岡県浜松市)について社名公表を実施。あわせて、実質的な主導者だったエンバークの代表者に対し、特商法に基づく3カ月の業務禁止命令を出した。

県民生活課によると、県内相談窓口には2018年度以降、中部設備とライフサポートに関する苦情が計128件寄せられていた。2社と契約した人の平均年齢は中部設備が23.9歳、ライフサポートが26.3歳で、全体の9割近くが20代。一方、平均契約金額は中部設備が約48万円、ライフサポートが約44万円と高額だった。2社の営業員は水道水を試薬でピンク色に変色させたり、汚れた貯水タンクや汚れた水道管の断面の写真を見せたりして不安をあおり、契約を持ちかけるなどしていたという。

訪問販売での契約は、法定書面を受け取った日を含めて8日間はクーリング・オフ(無条件で契約解除)が可能。また、8日間を過ぎても勧誘方法に問題がある場合など、解約ができる可能性があるため、県はすぐに消費生活センター(消費者ホットライン「188」番まで)に相談するようすすめている。

新生活が始まる時期を迎えることから、県は「悪質な事業者は相談相手が近くにいない一人暮らしの若者を狙っている。すぐに契約を決めてしまわず、必ず家族や友人に相談し、正確な情報に基づく冷静な判断をして契約してほしい」と注意を呼びかけた。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 豪州消費者団体Choice
    住宅ローンや家賃に関する苦情が増加しているのは銀行が苦境に立たされている人を十分支援していないからだc
  2. 鶏肉
    日本政策金融公庫が実施した畜産物の購入に関する消費者動向調査によると、食肉と牛乳について、およそ6割c
  3. コンシューマーリポート
    4月22日のアースデイを前に、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは気候変動が消費者の財布に与えc
  4. 警察庁
    警察庁がまとめた生活経済事犯の検挙状況によると、2023年に全国の警察が摘発した特定商取引等事犯は前c
  5. 電話相談
    埼玉弁護士会と埼玉司法書士会は4月20日(土)と21日(日)に電話相談「敷金(賃貸住宅)トラブル11c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る