【豪州】半数強が家具を壁に固定 死亡事故発生のたんすは2割

豪州の消費者団体CHOICEの最新調査によると、回答者の76%が家具を壁に固定することが最善の転倒防止対策だと認識し、全体の55%が何らかの家具を実際に壁に固定していることがわかった。家具別ではテレビが6割超と最多になったが、国内外で死傷事故が報告されているチェスト(洋服たんす)は2割にとどまった。

一方、家具を固定していない人の多くが賃貸住宅に住んでいて、家主や管理会社の許可が下りなかったことを理由にあげた。CHOICEによると、家主に対し、壁への固定を認めるよう法律で義務付けたのは西オーストラリア州のみ。昨年成立したこの法律は、チェストの下敷きになって亡くなった男児の名前にちなみ「リーフ法」として知られているという。

調査は今年5月、CHOICE会員1183人を対象に実施された。その結果、76%が壁への固定が最善の家具転倒防止対策であることを認識し、2015年の豪競争・消費者委員会(ACCC)の調査結果(50%)よりも高いことがわかった。

実際に家具(一部もしくは全て)を壁に固定しているとの回答は55%で、子どものいる家庭では69%にのぼった。家具別ではテレビ(64%)と本棚(58%)が圧倒的に多く、以下、棚(31%)、洋服たんす(21%)、ワードローブ(18%)、展示用キャビネット(17%)、テレビ台(15%)などの順。同団体は「イケア製たんすの転倒により子どもが死傷する悲劇が北米で相次いだというニュースが大きく報道されたにもかかわらず、洋服たんすを固定する人の割合が少ない」と懸念を示した。

また、家具を固定していない45%の回答者の多くが賃貸住宅に住んでいて、そのうちの58%が家主から許可が下りなかったことを理由にあげた。回答者の1人は「子どもが危険にさらされることを考えると、賃貸住宅に住むデメリットを痛感してしまう」などとコメントしていた。

オーストラリアでは2001年以降、家具やテレビの転倒により少なくとも9歳未満の子ども22人が死亡。2015年には西オーストラリア州パースで生後22か月のリーフ・カイト君がチェストの下敷きになって亡くなるなどしていた。この事故では家主が壁への固定を拒否していたことが明らかになり、家具の固定を妨げない新たな賃貸借規定「リーフ法」の可決につながったという。

豪州では家具の転倒に関する法的な安全基準がなく、企業の自主ガイドラインがあるのみ。CHOICEは「製品事故が発生してからリコールするのでは遅すぎる。販売前の安全性審査を企業に義務付ける法律が必要だ」と訴えている。

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