【豪州】ビアゴーゴーに5億円超の罰金命令 虚偽表示で

消費者法に抵触する複数もの虚偽表示をしたとして、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)がチケット転売サイト世界大手「Viagogo(ビアゴーゴー)」(スイス)を提訴していた問題で、連邦裁判所は10月2日、同社に700万豪ドル(約5億2500万円)の罰金の支払いを命じた。

これを受け、ACCCのロッド・シムズ委員長は「ビアゴーゴーのビジネス手法が豪州では認められないことが明らかになった」とコメント。同社に加え、豪州でインターネット事業を展開する海外事業者に向けて、消費者法の順守を呼びかけた。

ACCCによると、同社は音楽のライブチケットやスポーツイベントのチケットを再販する際、公式販売サイトであるかのように表示したり、チケット残数がわずかだと虚偽の表示をしたりしていた。

また、手数料が必要なことを事前に記載しておらず、手続きの後半になって加算されるシステムを運用。例えば、ミュージカル公演「ブック・オブ・モルモン」のチケット販売価格を当初は135豪ドルと表示しながら、最終的には177.45豪ドルを請求するなどしていた。

これらの虚偽表示について、シムズ委員長は「チケットが残りわずかだと見せかけて切迫感を生み出したり、必要な手数料を開示せずに低価格を装ったりして何千人もの消費者に誤解を与えた」と指摘。同社に700万豪ドルの罰金命令が下ったことについては、「我が国でビジネスを行うビアゴーゴーのような企業に対し、消費者法から逃れられないという強いシグナルを送ることになる」とコメントした。

近年、チケット転売に関する規制が世界的に行われており、豪州でも複数の州・準州政府が上限価格を設けるなどの規制を導入しているという。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. ニッポン消費者新聞2024年1月号
    特集 ウォッチねっと、消費者行政を調査 消費者庁表示対策課がトップ、最低評価は取引対策課c
  2. 消費者庁徳島オフィス
    エシカル消費の推進や実践を行う高校生が取り組み成果を発表する「エシカル甲子園2024」(徳島県と県教c
  3. ブルボン「素材のビット」
    ブルボンは9月4日、日本包装技術協会主催の「2024日本パッケージングコンテスト」において、ひと粒チc
  4. 2025年版くらしの豆知識
    国民生活センターはこのほど2025年版「くらしの豆知識」を発行。この小冊子は暮らしに役立つ幅広い分野c
  5. 東京都消費生活総合センター
    東京都消費生活総合センターがまとめた「令和5年度消費生活相談年報」によると、点検をきっかけとした給湯c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る