貧困地域の子ども、サルモネラ感染1.5倍 米消費者団体調査

アメリカ消費者団体連盟(CFA)は11月18日、食中毒と貧困との関連性に関する最新調査結果を発表し、貧困地域に住む消費者、特に5歳未満の子どもがカンピロバクターやサルモネラ、赤痢菌などの食品媒介感染症にかかるリスクが高いと警告した。一般的に貧困地域では、医療機関の受診や生の食材の摂取が少ないことなどから食中毒の報告件数は少ないとされる。CFAは「理由は不明だが様々な要因が考えられる。今回の調査結果は、食品安全対策が公衆衛生のためだけでなく、社会正義の問題であることを示した」と強調している。

CFAは2010年から2016年に報告されたサルモネラ感染症例、5万2821件を分析した。海外旅行中の罹患事例約4000件を除外した国内症例と貧困地域との相関性を調べたところ、強い関連性を持つことがわかった。特に5歳未満の子どもで顕著となり、感染リスクは1.5倍にのぼった。貧困地域の居住者は外食や生鮮食品をあまり利用しない上、高リスク食品である牡蠣や生の牛肉を食べることも少ないため、報告件数の割合は小さいとみられてきた。逆の結果が出たことについて、CFAは「深刻な懸念が示唆された。栄養価の高い食品にアクセスできない食の砂漠に住む低所得者が栄養不足に陥り、食中毒リスクに脆弱になっている可能性がある」と指摘した。

そのほかの要因として▽生きた家禽を調理するなど食文化の慣習が異なること▽害虫の蔓延▽食品小売業者の保冷不備▽言語の違いによる食品安全情報不足――などが推察されるという。CFAは「米国の2300万人以上の消費者は低所得層であり、貧困状況での生活そのものが食中毒のリスク要因であることを示している」と指摘。食中毒リスクの社会的な偏りに対処するには抜本改革が必要だとして、縦割り行政の見直しや農業用水の衛生管理、抗生物質の適正使用、食品従事者への安全意識の向上などの総合的な対策を求めた。

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