【米国】コロナ拡大で個人防護具不足深刻化、老人ホームで顕著に

新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的流行)から7カ月が経過したものの、全米のナーシングホーム(日本における老人ホームの一種)でマスクやガウンなどの個人防護具(PPE)不足が深刻化していることが明らかになった。非営利団体U.S.PIRGなどは「高齢者や大手術後の療養者などの脆弱な人々がリスクにさらされている」として、政府に対策を求めた。米国では新型コロナの感染拡大が続き、9月には救急病院を除く多くの施設で深刻なPPE不足に陥っている状況だという。

U.S.PIRGがナーシングホームに関する統計データを分析したところ、深刻なPPE不足に陥っている施設が多数あり、22万人以上の施設利用者が危険にさらされていることがわかった。医療用マスクや医療用ガウン、手指消毒剤のいずれかが完全に不足しているナーシングホームが全体の8%あったほか、20%の施設で供給が1週間近く滞るなどしていた。

PPEの供給は6月に改善の兆しがあったものの7月中旬に不足が顕著になり、8月下旬には不足を訴える施設が急増したという。

U.S.PIRGは「最も脆弱な高齢者や大手術からの療養中の人々がリスクにさらされている」と指摘。ナーシングホームにおけるコロナ患者の死亡率が高いとの報告があるとして、米政府に対策を求めた。国防生産法を確実に実施し、PPEのさらなる供給と価格の安定化、流通経路の透明化と合理化を強力に推し進める必要があると警告している。

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