米コカ・コーラ初のダイエット飲料「TaB」引退へ 構成見直し

米コカ・コーラは年内までに商品構成の見直しを図り、一部の不採算ブランドを廃止する。成長性が高く、シェアの拡大が見込めるブランドに優先的に投資していく。飲料事業の合理化は以前から計画していたものだが、新型コロナ禍で消費行動や供給体制が大きく変化し、前倒しで見直しを図ったという。

コカ・コーラ社のTaB

引退するTaB(中央)。経営資源を後ろに控えるダイエット・コークとコーラゼロシュガーに投資する(米コカ・コーラ発表資料より)

発表によると、廃止する飲料は同社初のダイエット飲料「TaB」やスポーツドリンク「ZICO ココナッツウォーター」、スムージー飲料「オドワラ(Odwalla)」、緑のコーラとして知られる「コカ・コーラライフ」など。

引退する多数のブランドの中でも同社のTaBへの思い入れは強く、プレスリリースの中でも特別に欄を設け、同飲料の歴史を紹介するなどした。

Tabは1963年に同社初のダイエット炭酸飲料として発売された商品。甘味料サッカリンを使ったゼロカロリーが特徴で、1980年代には若者文化を象徴する商品となった。同社は「以後、数十年に渡ってTaBで育った世代から細々ではあるが愛され続けてきた。TaBがなければ、ダイエット・コークやコーラゼロシュガーは生まれてこず、TaBは大きな役割を果たしたのだ」とコメント。一方で「ゼロカロリーの炭酸飲料は近年、消費者の好みが大幅に変化している。革新を続け、消費者のニーズに応えていくために決断を下す必要があった」と語り、60年近く続いた象徴的ブランドの引退に花を添えた。

同社は今後、ミニッツメイド、シンプリー、AHA、ダイエット・コーク、コーラゼロシュガーなど有力ブランドへの投資を進めていくという。

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