【英国】銀行選びは気候方針の確認を 77%が投資先知らず

英国の消費者団体Which?が銀行の気候変動方針に関する調査を実施した。その結果、預金者の77%が自分のメインバンクがどこに投資しているのかをまったく知らないまま預金していることが判明。「ある程度知っている」人は19%、「正確に知っている」人は4%だった。

一方、銀行への調査では、多くの銀行が投資先の詳細を開示しておらず、「消費者が環境に配慮した銀行を選ぶことは困難だ」として改善を求めた。

Which?が28行を対象に気候変動方針の開示場所を聞いたところ、回答した14行のうち11行がWEBサイトで公表していると回答。そのうち投資先を詳細に報告していたのは1行のみだった。投資先を明らかにしなかったものの化石燃料企業を除外しているとの方針を示している銀行も1行あった。また、Which?が銀行の年次報告書を調べたところ、8行が気候変動方針を開示していたが、数百ページにも及ぶ報告書の中から該当項目を探しだすのは消費者には困難だった。

Which?は「調査した銀行はすべて持続可能性に関する方針を打ち出していたが、消費者が気候変動に関する情報を簡単に入手できない状況になっている」と指摘。Ethical Consumer誌が実施した銀行部門の気候変動方針レビューでは最高評価を受けたのは2行のみだったとし、Which?は「消費者が化石燃料企業に投資していなくても、預けたお金が銀行を通じて投資されている場合がある。消費者が優れた気候変動方針を掲げる銀行を選ぶことで、業界に圧力をかけることができる」と行動を呼びかけた。

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