【豪州】ブロードバンド回線速度改善 最大速度の8割達成

オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は2月12日、ブロードバンドの平均ダウンロード速度が改善し、混雑時でも最大通信速度の80%以上を達成したと発表した。ただし、通信速度の遅さが指摘されるFTTN接続では期待するパフォーマンスに近づいておらず、ロッド・シムズ委員長は「全体的に通信速度が改善したことは歓迎するが、FTTNタイプの利用者は料金に見合った対価を得ていない」と指摘し、各社にさらなる改善を求めた。

調査は昨年11月、消費者ボランティア1200人以上が協力し、主要8社の固定ブロードバンド回線の速度データを計測した。夜7時~11時の最も回線が混雑する時間帯を選び、各社が表示する最大通信速度と比較した。

その結果、8社平均で最大通信速度の85.8%を達成。前回調査(昨年8月)で足を引っ張ったDodoとiPrimusも76.4%から80%へと改善し、全社80%超えとなった。低価格プランサービスほど好スコアとなり、12Mbpsプランは最大通信速度の90.4%をたたき出した。25Mbpsプランはそれよりもやや低下し、88.7%だった。また、通信事業者別ではOptus社が最高スコアの89.9%を記録した。

一方、光ファイバーケーブルに同軸ケーブルをつないだFTTNタイプの利用者の4人に1人が満足のいく通信速度に達しなかった。シムズ委員長は「一部のFTTN接続でパフォーマンスが低下する問題がある。設備内の配線を改善すれば向上する可能性があり、ユーザーはプロバイダーに相談してほしい」と呼びかけた。

この調査は通信速度の監視と消費者への情報提供を目的に、2018年から開始。年に4回程度行い、毎回調査結果を公表して事業者に改善を促している。2021年まで実施する予定で、ACCCは「ブロードバンド市場の透明性を高めるためより多くの消費者がボランティアとして調査に参加してほしい」としている。

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