【米国】自動車保険料、EVはガソリン車より高め 将来は低下へ

電気自動車(EV)の自動車保険料がガソリン車と比べて若干高いことが、米国の消費者団体コンシューマー・リポートの調査でわかった。専門家によると、事故率や盗難率などのリスク評価データが十分に集まっていないことが要因で、希少な高級スポーツカーの保険料が高額なのと同じ構図だという。今後、EVの普及にともない保険会社に詳細なデータが蓄積されれば、保険料が低下していく可能性が高いとしている。

コンシューマー・リポートが自動車保険比較サイトを調べたところ、EVの保険料はガソリン車よりも若干高い傾向がみられた。シボレー「ボルトEV」はホンダのハイブリット車「インサイト」よりも保険料が年間184ドル高く、アウディのガソリン車「A4」よりも年間318ドル高かった。また、テスラのEVは他の多くの車よりも高かったという。

保険制度に詳しいイリノイ大学アーバナシャンペーン校のLynne McChristian氏によると、自動車保険料は基本的に将来の損失の可能性に基づいて算出されており、交通事故、盗難、災害のリスクや修理費用などを加味して請求額が決まる。データが十分に集まっていないEVについては、保険会社がリスクの範囲をやや広めにとるため、その分が保険料に含まれている可能性があるという。McChristian氏は「保険業界は製造業界よりもはるかに多くの不確実性に対処しながらサービスを提供している」と説明した。

EVが本格的に普及していくと自動車保険料も低下(もしくは上昇率が低下)するとみられるが、新たな技術の登場によって変動する可能性があるという。McChristian氏は「EVに移行し、多くの新型モデルや新たな技術が登場するたびに保険料の適正な価格設定が問題になるだろう。だが、それは進歩の代償だ」と語っている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 豪州消費者団体Choice
    住宅ローンや家賃に関する苦情が増加しているのは銀行が苦境に立たされている人を十分支援していないからだc
  2. 鶏肉
    日本政策金融公庫が実施した畜産物の購入に関する消費者動向調査によると、食肉と牛乳について、およそ6割c
  3. コンシューマーリポート
    4月22日のアースデイを前に、米国の消費者団体コンシューマー・リポートは気候変動が消費者の財布に与えc
  4. 警察庁
    警察庁がまとめた生活経済事犯の検挙状況によると、2023年に全国の警察が摘発した特定商取引等事犯は前c
  5. 電話相談
    埼玉弁護士会と埼玉司法書士会は4月20日(土)と21日(日)に電話相談「敷金(賃貸住宅)トラブル11c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る