コロナで冷凍野菜・果物が人気 米国消費者団体が食中毒菌調査

パンデミックで冷凍野菜・果物の売上が伸びる中、米国の消費者団体コンシューマー・リポートが369アイテムを対象に食中毒菌汚染調査を実施した。その結果、いずれも細菌の検出はなく、「私たちは冷凍野菜・果実の食中毒リスクは低いと考えており、(それを裏付ける)心強い結果となった。野菜と果物は冷凍しても栄養価に変化がなく、健康上の利点がある」とコメント。一方で過去に大規模な食中毒事件が起きた例があると指摘し、注意書きをよく読み、正しい保存・調理を心がけるよう呼びかけた。

ほとんどの冷凍野菜は冷凍前に湯通しなどの調理が施されるため、消費者はリスクがないと考えがちだ。同団体によると、冷凍野菜を幼児にそのまま与えたり、調理せずにサラダに入れたりするケースがあるという。

しかし、食中毒菌を原因としたリコール事例も多く、2016年にはリステリア菌に汚染された冷凍野菜によるアウトブレイクが発生。42ブランド、450超のアイテムを対象とした大規模リコールが実施された。米医薬品当局(FDA)によるとその後も、少なくとも20件のリコールが実施されているという。

コロナ禍で冷凍野菜・果物の売上が伸びており、第1波の年には冷凍果物が約30%増、冷凍野菜は約15%増と市場が拡大した。16年のアウトブレイク以降、業界も厳格な管理プログラムを採用するなどリスク低減に努めているが、コンシューマー・リポートは「新生児、高齢者、妊婦、病気中の人は健康な人と比べて食中毒リスクが高い。冷凍野菜の加熱調理は重要だ」と呼びかけている。

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