【豪州】国内航空線乗客数、4月はコロナ後最高 燃料高騰が重し

オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は6月8日、4月の国内航空線乗客数が450万人にのぼり、新型コロナ感染症の発生以降、過去最高となったと発表した。コロナ禍前の水準の89%に相当し、ACCCは「困難な2年間を経て、完全回復に近づいている」との見通しを示した。一方、ジェット燃料価格が5月に史上最高値を更新し、今後の乗客数見通しを下方修正する航空会社も一部出始めた。ACCCは「航空運賃の価格設定を監視し、消費者が損害を被らないよう行動していく」としている。

最新データによると、4月のイースター休暇で国内旅行のニーズが高まり、キャンベラ-ゴールドコースト間の乗客数はコロナ前の水準の193%と人気化。メルボルン、アデレード、シドニーからゴールドコーストへと向かう便もコロナ禍前の水準を上回った。しかし、コロナの影響により航空会社、空港運営会社ともスタッフ不足が深刻で、定刻に出発できた便は全体の62%と低下。ACCCは「運用上の課題が生じている」と指摘した。

また、多くの航空会社が国内旅行の持続的な回復を見込んでいるものの、5月にジェット燃料が史上最高値を更新し、今後の航空運賃の値上げを予定する。値上げの影響も出始めており、カンタス航空が7月と8月の乗客見込み数をコロナ禍前の107%から103%に引き下げた。

ビジネス利用も想定以上の早い回復が確認されているが、一部の路線は回復が鈍く、撤退が発表されるケースもあった。同じ路線に複数社が乗り入れていた方が消費者にとって恩恵が大きく、ACCCは「各社の運賃設定を監視し、競争についても目を光らしていく。コロナ禍後に業界が安定期に入るにつれ、こうした措置が重要になる」とコメントしている。

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